検索結果
「」に対する検索結果が312件見つかりました
- ★フラメンコnews☆
フラメンコのクラシック傑作映画2作品が渋谷・梅田・神戸の映画館で限定上映! (jueves, 27 de julio 2023) 昨年12月に2⽇間限定で新旧フラメンコ映画の傑作を上映したラテンビート映画祭 presents『フラメンコ!フラメンコ!フラメンコ!』が、この度映画館での再上映を熱望する多くのリクエストを受け、その中でも特に⼈気の⾼かったクラシック映画2作品を、ヒューマントラストシネマ渋⾕、シネ・リーブル梅⽥、シネ・リーブル神⼾の3劇場にてアンコール限定上映することになりました。 今回上映されるのは、1953 年カンヌ国際映画祭に出品されて特別賞・ダンス賞を受賞し"史上最⾼のフラメンコ映画"との世界的評価を集めるドキュメンタリー映画『フラメンコの魔性と神秘』と、2 度のアカデミー賞外国語映画賞ノミネートで知られるフランシスコ・ロヴィラ・ベレタ監督が脚⾊も⼿掛けて描いた悲恋のミュージカル・ラブストーリー『ロス・タラントス 〜バルセロナ物語〜』の 2 作品。 昨年見た方も見逃した方も、今回初めて知った方も、この機会にぜひ映画館でフラメンコ映画の傑作を体感してみてください︕ ラテンビート映画祭 presents 『フラメンコ!フラメンコ!』 <上映スケジュール> ●ヒューマントラストシネマ渋谷:7/28(金)~8月10日(木) (7/28〜8/3『フラメンコの魔性と神秘』、 8/4〜10『ロス・タラントス~バルセロナ物語~』 *各日1回上映) ●シネ・リーブル梅田:7/28(金)~8月10日(木) (7/28〜8/3『フラメンコの魔性と神秘』、 8/4〜10『ロス・タラントス~バルセロナ物語~』 *各日1回上映) ●シネ・リーブル神戸:8/4(金)~8月17日(木) (8/4〜10『フラメンコの魔性と神秘』、 8/11〜17『ロス・タラントス~バルセロナ物語~』 *各日1回上映) ※上映料金は各劇場の通常料金。前売り券の販売はありません。 ※割引情報については、ラテンビート映画祭SNS(Facebook、Twitter)でご確認ください。 ※上映スケジュール・料金などの詳細は、各劇場ホームページにてご確認ください。 ヒューマントラストシネマ渋谷:https://ttcg.jp/human_shibuya/price/ シネ・リーブル梅田:https://ttcg.jp/cinelibre_umeda/price/ シネ・リーブル神戸:https://ttcg.jp/cinelibre_kobe/price/ [公式URL] https://www.lbff.jp/ >>>>>
- 森山みえフラメンコ舞踊団公演
¿Dónde está la princesa? ~王女様はどこに行った?~ (viernes, 21 de julio 2023) 2022年12月3日(土) 小岩アーバンプラザホール(東京) 文/金子功子 Texto por Noriko Kaneko 写真/荻久保次郎 Foto por Jiro Ogikubo 今回で7作目となった舞踊団公演は、昨年10月に上演された前作から約1か月強という実に短い期間で準備が進められた。原作はオードリー・ヘプバーン主演による不朽の名作として知られる映画『ローマの休日』。そこにフラメンコ舞踊作品としてオリジナルのアレンジを加え、原作の設定にとらわれないユニークなストーリーに仕立てた。曲の前後にナレーションを取り入れることで、観客が分かりやすく舞台を楽しめる工夫も施されていた。 物語の舞台となったのは、原作のイタリア・ローマに代わってフラメンコの本場であるスペイン・アンダルシア。王女の行き先は欧州の親善旅行からスペイン留学へと変わり、新たに王女の婚約者という配役も設定した。さらにロマンスのお相手となるアメリカ人新聞記者は、日本人フラメンコダンサーへとキャラクターも変更。また、スペインで現地レポートを行う女子アナ役をキャスティングすることで、芝居の中で首尾よくナレーションとしての役割を担当させた。 作品の内容としては、物語の場面に沿ってソロやパレハ(ペア)、群舞で様々な曲種のフラメンコ舞踊を取り揃えた。主役のアン王女を演じる森山は舞台の1曲目でペテネーラをソロで披露し、赤のバタデコーラと黒のマントン(ショール)で王女の存在感と気高さ、そして国を救うための政略結婚を憂う苦悩を表現。王女の相手役である永田は、配役も地のままフラメンコダンサーというだけあり、バストン(杖)を使ったキレのあるシギリージャを踊り、正確なコンパスと巧みな足技を魅せつけた。二人はセビジャーナスやアレグリアス、ファルーカをパレハで舞い、出逢いから別れまでのロマンス・シーンを好演した。 群舞では、春祭り会場のシーンで女性団員によるセビジャーナスが繰り広げられ、華やかな場面を演出。祭りはそのままカジェ(小道)でのブレリアへと続き、舞台中央へと移動したミュージシャンたちによるギターとカホンの伴奏に合わせて歌う者あり踊る者あり、山本(将)も生き生きとしたパフォーマンスを披露した。また、行方不明になった王女を探すシーンではソレアポルブレリアで騒然とした雰囲気を表現し、効果的な演出を図った。婚約披露パーティーの場面では、ルンバの歌や演奏にハレオ(掛け声)も掛かり楽しそうなセッションが盛り上がり、続くグワヒーラの曲ではパーティーの主役である山本(海)を招き華やかな舞いで婚約を祝福した。 踊りの場面以外にも、随所に音楽を生かした創作的な演出に好感が持てた。舞台セットを切り替える場面ではギターソロのグラナイーナで演奏を楽しませ、王女が行方不明になったシーンではカホンのソロで不安を誘うようなグルーブ感溢れるブレリアを披露。また、森山と永田のパレハによるアレグリアスでは、始まりにダニエルが弾き語りで名曲「テネシー・ワルツ」を歌い、恋する二人のシーンをさらに盛り上げた。 有名な作品をベースとして物語の展開も分かりやすく、ストーリーと合わせてフラメンコ舞踊や音楽も楽しめる作品となった今回の舞台。終演後には、休憩時間をはさんで教室の発表会も予定されていて、そのため発表会を観に来場した人が舞台作品も同時に観ることができる良い機会となった。普段はあまり馴染みのないフラメンコの舞台をより多くの人に観てもらう機会をこのような形で設けることで、新たにフラメンコに興味を持ってくれる人が増えてほしいという、森山の思いがその企画内容に表れている。今作のように親しみやすいテーマでカジュアルに楽しめる作品が少しずつでも増えていったら、フラメンコの認知度も上がっていくのではないかと期待している。 【プログラム】 1. とあるヨーロッパの小国の王女・アン(ペテネーラ) 2. 脱走(グラナイーナ) 3. ケン・ナガタ(シギリージャ) 4. 出逢い(セビジャーナス) 5. 祭りはまだ終わらない(ブレリア) 6. 言葉はいらないアンとケン(アレグリアス) 7. 王女様はどこに行った?(ソレアポルブレリア) 8. 婚約披露パーティー①(ルンバ) 9. 婚約披露パーティー②(グワヒーラ) 10. 王女様はどこに行った?(ファルーカ) 【出演】 主演・脚本・演出:森山みえ ギター:尾藤大介 カンテ:永潟三貴夫、ダニエル・アスカラテ パーカッション:朱雀はるな バイレ:永田健、山本将光、山本海、ドミンゴ、篠崎麻由美、富松真佑子、森山みえフラメンコ舞踊団 >>>>>
- Recuerdo/追憶 ep.4 Esperanza Fernández y Miguel Ángel Cortés
(lunes, 17 de julio 2023) 写真家・大森有起が綴るフォト&メモリー ©Yuki Omori 「天資英明」 彼女の熱唱に魅せられ その人柄に心惹かれた ヒターノ一族の血を受け継ぐ セビージャが誇るカンタオーラ、Esperanza。 >>>>>
- ★フラメンコnews☆
影山奈緒子&小林泰子ドブレリサイタル 『Así soy yo』新宿ガルロチで開催! (viernes, 14 de julio 2023) それぞれに個性的な魅力あふれる舞踊スタイルが人気のフラメンコダンサー、影山奈緒子さんと小林泰子さんによるドブレリサイタルが、この秋ガルロチで開催されます。スペシャルゲストダンサーには、京都を拠点に活躍し大勢のファンを集めるSIROCOさんと奥野裕貴子さんも出演。素晴らしいミュージシャンらとともに、東西のフラメンコの熱い共演が繰り広げられます。 予約開始は7月18日(火)午前10時からですので、興味のある方はお早目のご予約を! 影山奈緒子&小林泰子リサイタル 【Así soy yo con SIROCO y YUKI】 [日時] 2023年9月 9日(土)Open 17:30 / Start 18:30 9月10日(日)Open 17:00 / Start 18:00 (※両日で開場、開演時間が変わりますのでご注意下さい。演目も両日で異なります。) [会場] 地中海料理&ワイン ショーレストラン ガルロチ(東京・新宿) [チャージ] (全席指定/お食事&ワンドリンク付) スーパープレミアムシート 10,000円 プレミアムシート 8,500円 一般席 7,500円 ※スーパープレミアム、プレミアムシートには限りがあります。先着順のご予約となります。 ※チャージはご予約後、1週間以内にお振込となります 〈出演〉 (B) 影山奈緒子、小林泰子 (Special Guest) SIROCO、奥野裕貴子 (C) 川島桂子、水落麻理 (G) 徳永健太郎 ※B=踊り、C=歌、G=ギター [予約受付開始] 2023年7月18日(火)10:00AMよりメールにて [予約用メールアドレス] asisoyyo2023special@gmail.com (事務局) ご予約メールには以下の事項をご記入下さい。 ・ご予約者名(複数の場合は代表者名) ・ご予約人数 ・ご希望の日と席種(第一希望、第二希望まで) ・ご連絡先(メールアドレス・携帯番号) ✳︎ご予約メール受付後、事務局よりご予約確認及びチャージ振込先をメールにてご連絡致します(事務局からの確認メールが3日経っても届かない場合はestudiocuna@gmail.com カゲヤマまでメール下さい) ✳︎予約確認メール受信後、1週間以内にチャージのお振込をお願い申し上げます。 〈キャンセルに関して〉 公演2週間前までにキャンセルのご連絡を頂いた場合は全額返金致します。それ以降のご連絡の場合は、チャージの全額分のキャンセル料が発生致しますのでご返金は致しかねます。但し、代わりの方へのご予約の譲渡は可能ですので、ご予約者名が変更となる場合は必ず事務局にご連絡下さい。 >>>>>
- ★フラメンコnews☆
間もなく開催!今度のGarlochiフラメンコショーは マリア・モレーノ&フアン・アマジャ“エル・ペロン”グループ! (domingo, 16 de julio 2023) 東京・新宿にある地中海料理とワインが楽しめるショーレストラン、ガルロチ(旧エル・フラメンコ)で今月末からスタートするフラメンコショーに、マリア・モレーノ&フアン・アマジャ“エル・ペロン”グループが出演します。 マリア・モレーノはカディス出身のダンサーで、今年のフェスティバル・デ・ヘレスで自身の舞台作品が大好評を博すなどその活躍が注目され、日本でも人気のバイラオーラ。フアン・アマジャ“エル・ペロン”は、2017年のガルロチ初出演でそのオリジナリティと芸術性あふれる踊りで多くのファンの心をつかみ、その時に共演したマリアと共に今回2度目のガルロチ出演となります。 歌い手には昨年のガルロチ出演で連日観客を沸かせたミゲル・ラビと軽快なグルーヴ感を聴かせるマヌエル・デ・ヒネス、ギターには前回に続いて再共演となる美しい音色が魅力のホセ・ルイス・メディナが出演。プログラムもA・Bと2種類用意され、どちらも見応えのあるステージが楽しめそう。 7月30日までは先行割引の特典があるので、予定されている方はお早めのご予約を! マリア・モレーノ&フアン・アマジャ“エル・ペロン”グループ [期間]2023年7月31日(月)~8月15日(火) [会場] Show レストランGARLOCHÍ (東京都新宿区新宿3-15-17 伊勢丹会館6F) [出演] バイレ(踊り) マリア・モレーノ/フアン・アマジャ“エル・ペロン” カンテ(歌) ミゲル・ラビ/マヌエル・デ・ヒネス ギター ホセ・ルイス・メディナ [予約・問] WEB: https://t.livepocket.jp/t/maria_pelon Email: garlochilive@gmail.com >>>>>
- ★フラメンコnews☆
田村陽子主演フラメンコ公演 『La Serpiente ~蛇になった女~』 (miércoles, 12 de julio 2023) 当サイトのWEBマガジンにて『アルテの泉 ~La Fuente del Arte~』を連載中のフラメンコダンサー、田村陽子さんが主演し構成・演出を手掛ける劇場公演が、11月に東京で上演されます。元々は2020年に「舞踊生活25周年記念公演」として上演予定でしたが、コロナ禍の影響による延期を受け3年越しの実現となりました。 長年在籍していた舞踊団を退団後「いつかは絶対に発表したいとずっと温めてきた」という「安珍と清姫の物語」を原案とするオリジナルストーリーで、女の情念や蛇への化身、炎など、和の題材に洋風アレンジを加えた創作フラメンコ公演となります。振付には田村さんとともに、スペインより招聘する共演のヘスス・オルテガ、クリスティアン・ペレスの両氏も加わり、国内で活躍中のアーティストらによるパフォーマンスにも注目です。 独創的でドラマティックな舞台を、ぜひ劇場でお楽しみください! フラメンコ公演 『La Serpiente ~蛇になった女~』 原案:安珍と清姫 [日時]2023年11月3日(金祝)17:30 開場 18:00 開演 [会場]東京・セシオン杉並ホール (東京メトロ丸ノ内線「東高円寺駅」「新高円寺駅」) [助成]スペイン舞踊振興MARUWA財団 令和2年度 助成事業 [後援]スペイン大使館、一般社団法人 現代舞踊協会 [出演] Baile 踊り 女:田村陽子 男:Jesús Ortega 炎:Cristian Pérez 妻:浅見純子 正木清香 ヴォダルツ・クララ 久保田晴菜 脇川愛 松田知也(小島章司舞踊団所属) 中原潤 Cante 唄 : Rosario Amador/Paco El Plateao Guitarra ギター:Ramón Amador Violín バイオリン:平松加奈 Percusión パーカッション:海沼正利 [料金] S席12,000円 A席11,000円 [予約・問] ・メール:laserpiente1103@gmail.com ・メッセンジャー または各出演者までお願いいたします。 ※名前、席種、枚数、チケット郵送先をご記入の上、お申込みください。 >>>>>
- カンテフラメンコ 奥の細道 on WEB No.26
(lunes, 10 de julio 2023) 文/エンリケ坂井 Texto por Enrique Sakai カンティーニャの乗り 前回書いたように、カンティーニャの乗りと言ってもひと通りではない。 アレグリアス・デ・カディスのように、というよりは普通のソレアーのようにと言った方が解りやすいかもしれないが、12拍子の基本的な乗り方、つまり1拍目くらいから始まって10拍目くらいで終わり、2拍休む1コンパスの中に1行の歌詞を歌い込むという乗り方がひとつの方法だ。 これはフラメンコをある程度学んだ人には説明する必要も無いと思うが、もうひとつの方法は果たしてちゃんと書く事ができるのか、またそれを読んで理解してもらえるのかあまり自信は無いが、できるだけ解りやすく書いてみよう。 この乗り方はブレリア・ポル・ソレアー(ソレア・ポル・ブレリアも同じ)のひとつの型のように、まるで6拍子のように歌い進むやり方だ。 但し、ブレリアのように歌う時は完全に6拍子になるのではなく(12拍子で歌う場合もある、念のため)12拍子を不動の土台としながら、その12拍子の6拍目と12拍目を灯台の灯りのようにメロディーの強拍と合わせて歌い進むことになる。 我ながら解りにくい説明だと思うが、文章で書くとこうなってしまうから、実際にどうなるかもう少し詳しく書いてみよう。 12拍子の土台を足と手(パルマ)で刻む方法(マルカールする)は、以下の通り。 (図A) 歌う時(踊りのために歌う時ではなく、歌だけの時)のパルマは複雑なことはしないので、①か②が普通だろう。(♩♩)というカッコの部分は、カンテソロの場合は踊り歌と異なり強く叩く必要はない。昔は揉み手をするがごとくシャワシャワとやったものだ。 さて、以下に書くのはアレグリアスの現代風のサリーダで、カマロンの第1集レコードから採譜した。 (図B) 同様のサリーダの低音型を、ペルラ・デ・カディスはカンティーニャのサリーダで以下のように歌った。 (図C) このサリーダを①のパルマの基本型、または②の変型のパルマと足を刻みながら歌ってみてほしい。最初は戸惑うかもしれないが、結局どちらのサリーダも6拍と12拍の強拍を基点としている事が体感として解ってくると思う。問題は、その乗りの感覚なのだ。 【筆者プロフィール】 エンリケ坂井(ギタリスト/カンタオール) 1948年生まれ。1972年スペインに渡り多くの著名カンタオールと共演。帰国後カンテとパルマの会を主宰。チョコラーテらを招聘。著書『フラメンコを歌おう!』、CD『フラメンコの深い炎』、『グラン・クロニカ・デル・カンテ』vol.1~32(以下続刊)。 ※CD『グラン・クロニカ・デル・カンテ』シリーズを購入ご希望の場合は、アクースティカ(https://acustica-shop.jp/)へお問い合わせください。(編集部) >>>>>
- ★フラメンコnews☆
今年は日比谷野音100周年記念! 真夏の夜のフラメンコ (sábado, 8 de julio 2023) 1971年より始まったフラメンコの夏の風物詩、今年で第52回を迎える「真夏の夜のフラメンコ」が東京・日比谷野外大音楽堂で開催されます。 「野音」の愛称で多くの人に親しまれるこの会場も今年創立100周年を迎え、今回は特別企画「日西民族舞踊の祭典」として、和太鼓「英哲風雲の会」と「東京高円寺阿波踊り」との共演や、本場スペインから招聘したダンサーや第4回全日本フラメンココンクールの入賞者・ファイナリストも出演、さらに個性豊かな群舞による舞台もあり、日本とスペインそれぞれが誇る芸術芸能の素晴らしい競演が楽しめます。 なお、野音は来年度から老朽化による建て替え工事が始まってしまうため、もしかしたら現在の建物での開催は今回が最後となってしまうかも…。これまでいくつもの歴史や伝説を重ねてきた野音での真夏のフラメンコを、ぜひ会場でお楽しみください! 小松原庸子スペイン舞踊団 第52回野外フェスティバル 『真夏の夜のフラメンコ』 野音100周年特別企画「日西民族舞踊の祭典」 [日時]2023年7月29日(土) 16:30開場/17時開演 ※雨天決行 [会場]東京・日比谷野外大音楽堂 [出演] クリージョ ディエゴ・オルミエール ルベン・ロホ 鈴木敬子 鈴木眞澄 笹岡洋子 鶴 幸子 森山みえ 松 彩果 大沼由紀 渡部純子 蜂須夕子 堀江朋子 斎藤恵子 田村陽子 ベニート・ガルシア 小谷野宏司 三枝雄輔 第4回全日本フラメンココンクール入賞者&ファイナリスト(50音順) 内田好美(優勝) 平田かつら(小松原庸子特別賞) 青木ルミ子 石黒裕子 大江智子 鎌田奈津 栗原正子 吉海江 陽 石田久乃(第3回全日本フラメンココンクール優勝) 中島朋子 北山由佳 松尾美香 玉沖朋子 藤川淳美 関 真智子 横山さやか 東京シティ・バレエ団 渡部一人 石井智也 カデーナフラメンカ ラティドスフラメンコス ともだち列車たからもの号 森山みえフラメンコ舞踊団 カンテ 有田圭輔/三枝雄輔 ギター 髙橋紀博/宇田川卓俊 [料金]全席指定(税込)S席8,000円、A席7,000円、B席5,000円、ペア席5,000円 [予約]ローソンチケット(Lコード32771)、チケットぴあ(http://pia.jp/)、セブンイレブン店頭販売(Pコード519-476) [主催・問]ソル・デ・エスパーニャ TEL:03-3314-2568 Email:flamenco@komatubara.com URL: http://komatubara.com/ >>>>>
- Flamencofanインタビュー:カニサレス
(jueves, 6 de julio 2023) かつてパコ・デ・ルシアのセカンドギタリストを10年間務め、その美しい演奏と超絶テクニックで世界から注目されるギタリスト、カニサレスの来日公演ツアーが間もなく始まります。公演に先立ち、今回のツアー内容や先日発表された新作アルバムについてお話を伺いました。 聞き手/金子功子 Entrevista por Noriko Kaneko 通訳/小倉真理子 Interpretación por Mariko Ogura (写真/© Amancio Guillén)カニサレスとフアン・カルロス・ゴメス(左)の2ショット ――今回は5年振りとなる待望の来日公演です。本公演の聴きどころや、お客様にどういうところを楽しんでほしいかなどをお聞かせいただけますか? カニサレス:これまではカルテットやクインテットでの来日公演が多かったのですが、今回は初めてのギターデュオ公演です。ギター2本だけの編成なので、その分みなさんとの距離も近く、すごくクローズドなところで一緒に音楽を楽しめる形になるかと思います。聴きどころとしては、セカンドギタリストのフアン・カルロス・ゴメスとの演奏の掛け合いや、対話のような部分を楽しんでいただけたら嬉しいです。 ――公演のプログラムついてですが、選曲のポイントや構成について教えていただけますか? カニサレス:今回のプログラムは2部構成としています。第1部では3つの組曲から抜粋した曲を演奏しますが、これらは全て私が作曲したギターとオーケストラのための協奏曲を、ギター2本用に再アレンジしたものです。これらの楽曲は厳密な意味でのフラメンコ曲ではありませんが、それでもフラメンコのエッセンスやリズムが随所に含まれているので、そうしたクラシックとフラメンコの融合を楽しんでいただけると思います。第2部は、ロドリーゴの「アランフェス・マ・パンセ」やファリャの音楽など、スペインのクラシック界の大御所の素晴らしいギター音楽や、ピアノ曲を私がギター用に編曲した作品を演奏します。スペイン・クラシックからスタートして、中盤からは私の作曲したフラメンコ楽曲を中心に演奏してクライマックスへ向かいます。全体を通じて、オーケストラとの協奏曲のギターアレンジ曲や、スペイン・クラシックからフラメンコへと、幅広いレパートリーをお楽しみいただけると思います。 ――今回のツアーの千葉公演では、スペシャルゲストとしてフラメンコ舞踊家の佐藤浩希さんが出演されます。彼との共演に至った経緯や、どのような演出を予定されていますか? カニサレス:浩希さんとは以前から知り合いでしたが、今回が初めての共演となります。彼がフラメンコを踊るところは何度も観ていまして、素晴らしいアーティストだと常々思っていました。今回の日本ツアーで特別ゲストを招待しての公演が決まった時に、初めに思い浮かんだのが彼だったので、この機会に共演したいと強く思いお願いしました。常々思っていることですが、日本とスペインという離れたふたつの国で、お互いが同じ芸術に関わり、ひとつのところを目指しているというのは素晴らしいことだと思います。各々の環境で育まれたものが1つの舞台に集結して何か新しいものを生み出すという過程は、きっと素晴らしいもの違いないと確信しています。そうした「フラメンコ」という音楽を通しての、二人の人間同士の交わり合いのようなものをお楽しみいただければと思っています。 ――日本人ダンサーとの共演は初めてですか? カニサレス:日本人の踊り手や歌い手の方にパルマの演奏をお願いしたことはありますが、踊りとの共演は初めてです。来日の際には、私のグループのダンサーが同行していましたので、これまでそうしたチャンスがありませんでした。今回はギターデュオの編成での来日ツアーですが、思いがけずこのような素晴らしい共演の機会が生まれることになり嬉しく思っております。 ――今回の公演では、新作アルバム『アル・アンダルス協奏曲 ~パコ・デ・ルシアに捧げる』が、8月の日本国内リリースに先立ち会場で先行発売されます。この作品についての思いを、お聞かせいただけますか? カニサレス:このアルバムは、私にとってとても特別な作品です…。この作品を作曲していた時のことですが、ある日の朝5時半頃に電話が鳴りました。それはカニサレスモデルのギターを制作してくれている、ギター職人のビセンテ・カリージョからでした。その早朝の電話で、パコがメキシコで急死したことを知りました。あまりに衝撃的な出来事で、電話を切った後もずっと信じられずにいました…。この作品は、まさにその瞬間に生まれたものだと自分では認識しています。この作品の中で自分が書いたすべての音は、私の目から零れ落ちた涙の雫であり、第2楽章にそれが特に強く表れていると思います。パコの葬儀では、私はその棺を肩に担いで教会まで歩いていきましたが、その時の一歩ずつの歩みを音楽で表した部分が第2楽章の中にあります。そういう背景を知っていただいた上で聴いてもらえると、この作品が大きな哀しみに溢れたものであり、心を揺さぶる音楽だと感じていただけると思います。このように、親友であり師匠であるパコを失った哀しみから生まれた作品ではありますが、作品はただ辛い思い出を語るだけのものではありません。第3楽章の最後の部分のタンギージョ・デ・カディスでは、パコと共に過ごした楽しかった思い出も込められています。彼はジョークが好きで、いつも笑いが絶えませんでした。ですから、哀しみに溢れた作品ではありますが、明るい思い出の中にいる彼の姿も表現したかった。タンギージョ・デ・カディスはパコと一緒に演奏した曲でもあるし、その中で彼の作品の有名なメロディーを少しアレンジしたものを、オマージュとして取り入れています。 ――それでは最後に、日本でフラメンコを楽しんでいるファンの皆様に向けてメッセージをお願いします。 カニサレス:まずはみなさん、健康を大事にしてください。そして音楽を通じて揺り動かされる心の動きを大事にしていただいて、そこから幸せを感じてほしいと思っています。 ――ぜひ多くの皆さんに、会場で演奏を楽しんでいただきたいと思います。 カニサレス:どうもありがとうございます。 【カニサレス来日公演2023総合サイト】 https://www.plankton.co.jp/canizares/index.html 【公演スケジュール】 7/09(日)所沢市民文化センター ミューズ キューブホール[完売] 7/12(水)兵庫県立芸術文化センター 神戸女学院 小ホール [完売] 7/13(木)フェニーチェ堺 小ホール 7/15(土)東海市芸術劇場 多目的ホール 7/16(日)浜離宮朝日ホール [完売] 7/18(火)船橋市民文化ホール ※スペシャルゲスト:佐藤浩希(フラメンコ舞踊) 7/20(木)フィリアホール(横浜市青葉区民文化センター) [総合問合せ] プランクトン 03-6273-9307(平日13~17時) https://plankton.co.jp/canizares/ 【新作アルバム情報】 カニサレス『アル・アンダルス協奏曲〜パコ・デ・ルシアに捧げる』 2023年作品 2023年8月23日発売 VITO-483/¥3,000税抜(¥3,300税込) 解説:鈴木大介 発売:PLANKTON 【プロフィール】 フアン・マヌエル・カニサレス/1966年スペイン東部カタルーニャ生まれ。16歳のとき、権威あるナショナル・ギター・コンクールで優勝。プロの道を歩みはじめる。88年から巨匠パコ・デ・ルシアのバンドに参加し、セカンドギタリストとして10年間活動する。1990年にパコのバンドメンバーとして初来日。1997年に『イマンとルナの夜』でアルバム・デビュー。ジャズ、クラシック、ロックなど、あらゆる要素を吸収した演奏と華やかなアレンジでフラメンコ界に新風を吹き込み、絶賛を浴びた。 ギタリストとしてだけでなく、作曲家としても才能を発揮。スペイン国立バレエの作品や映画音楽の作曲を手掛け、近年はアルベニス、グラナドス、ファリャやスカルラッティの楽曲をギターに編曲したクラシック音楽のソロ・アルバムを立て続けに発表する。 2011年、世界最高峰オーケストラのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と共演し、クラシック界でも大きな注目を浴びた。 2016年5月にパコ・デ・ルシアに捧げる、ギターとオーケストラのための協奏曲「アル・アンダルス協奏曲」を作曲し、スペイン国立管弦楽団とスペイン国立音楽堂にて世界初演を果たす。 スペインの民俗舞踊「ホタ」を取り上げたカルロス・サウラ監督の映画『J:ビヨンド・フラメンコ』(2017年日本公開)にも出演、その演奏がフィーチャーされた。 2018年2月には8年ぶりの全曲オリジナルによるフラメンコの新作ソロ・アルバム『洞窟の神話』を発表。同年9月にクインテット編成の来日ツアーを成功させた。 2019年発表のアルバム『カニサレスのロドリーゴ』では、アランフェス協奏曲第2楽章のアダージョ「アランフェス・マ・パンセ」や、ロドリーゴ氏の未発表作「夕暮れのプレリュード」が初収録されスペインで大きな話題となる。 2023年5月、自身の作曲によるギターとオーケストラとの協奏曲を収録した新作アルバム『アル・アンダルス協奏曲』をリリースした。(同年8月に日本国内発売予定) >>>>>
- ★フラメンコnews☆
(miércoles, 5 de julio 2023) 内田好美ソロ公演『孤独生vol.2/10』名古屋で上演! 先日行われた第4回全日本フラメンココンクールのバイレ部門で優勝したフラメンコダンサー、内田好美さんによるソロ公演『孤独生』が名古屋で上演されます。この作品は、毎年1回の舞台を重ね10年間を通してフラメンコでどこまで表現できるかに挑む意欲作です。 昨年の初演に続く第2弾となる今作のテーマは「対価」。ひとりの人間が生きていく上での選択で得たものや失ったものにより築き上げられたその人生の価値について、共演するアーティストらと共にフラメンコを通して表現します。 彼女が思い描き表現する世界を、ぜひ劇場で目撃してください! 内田好美フラメンコソロ公演 Vol.2/10 『孤独生 ~対価~』 [日時] 2023年7月16日(日) 15:30開場/16時開演 [会場] 名古屋千種文化小劇場(地下鉄「吹上」駅より徒歩3分) [出演] 構成・演出・振付・踊り 内田好美 カンテ 瀧本正信/川島桂子 ギター 徳永健太郎 パーカッション 容昌 バイオリン・ピアノ 森川拓哉 [料金] 5,000円(全席指定) ※前日の7/15(土)に公開リハーサルを開催予定(開場18時、20時終了予定、全席自由3,000円) [予約・問] 内田好美ソロ公演運営係 Email:yoshimista39@gmail.com または flamencokodokusei.vol.2@gmail.com ※氏名・人数・メールアドレスをご記入の上、お申し込みください。
- スペイン発☆志風恭子のフラメンコ・ホットライン
(miércoles, 5 de julio 2023) 文・写真/志風恭子 Texto y fotos por Kyoko Shikaze セビージャも本格的に暑くなってきました。アンダルシアは通常、秋冬によく雨が降るのですが、今年はほとんど降らなかったせいでダムなどの貯水量が通常の4割ほどにしかならず、水不足の危機と言われています。もう20年以上前でしょうか、セビージャでも取水制限が行われ、夜中0時以降は蛇口から水がでないという時期がありました。普段はスペインでも屈指の美味しさと言われるセビージャの水ですが、当時は水質も落ちて飲用水は買わざるを得なかった記憶が。6月には珍しい雨も少しはあったというものの、まだまだ水不足ということで心配です。 【夏のフェスティバルはじまる】 6月になるとアンダルシア各地でフラメンコ・フェスティバルが開催されます。1957年から開催されているウトレーラのポタヘ・ヒターノが最も古いフェスティバルと言われていて、これがフェスティバル・シーズンの開幕を飾る、という感じだったのですが、フェスティバルが増えるにつれ、ウトレーラよりも早い時期に開催されるフェスティバルもあるようになりました。また、以前は一晩にたくさんのアーティストが出演し夜明けまで続く、といった形がスタンダードだったのですが、今ではビエナルの影響もあるのか、数日間にわたって開催されることも多くなってきました。 セビージャ県アラアルのアルグルグーもそんなフェスティバルの一つです。今年で第21回と言いますから、ウトレーラやレブリーハ、モロン、マイレーナ、プエブラといった伝統的なフェスティバルに比べるとまだ新しい方に入りますが、数日にわたって開催されるこのフェスティバルは毎年、一流のアーティストが出演するフェスティバルとして、フラメンコ・ファンの間にも認識されているように思います。今年は6月8日から17日までの開催で、トマティートやアントニオ・レジェス、ダビ・パロマールのリサイタルなどが市立劇場で行われました。 この町出身の新進ギタリスト、ダビ・デ・アラアルもウエルバ出身の歌い手サンドラ・カラスコとの共演で『レコルダンド・ア・マルチェーナ(マルチェーナを思い出して)』を上演。 最終日には、このフェスティバルが毎年フラメンコの功労者に送る『ベルデ・ケ・テ・キエロ・ベルデ』賞を受賞したエバ・ジェルバブエナが踊りました。 なお、6月17日には一晩中フラメンコ公演が行われるコルドバのフラメンコの白夜、24日はポタヘ・ヒターノが開催され、7月2日はモロンのガスパチョ、6日からはレブリーハのカラコラー、8日はプエブラのレウニオン・デ・カンテ・ホンドと伝統のフェスティバルも続々開催予定です。 【フラメンコ才能コンクール カンテ部門】 第一線で活躍する数多くのフラメンコ・アーティストを輩出しているクリスティーナ・ヘーレン財団。この財団が主催する16歳以上30歳以下の若手を対象にしたコンクルソ・タレント・フラメンコ、フラメンコ才能コンクール。カンテ、バイレ、トーケ(伴奏)の3部門があり、そのカンテ部門の決勝が6月19日、セビージャの財団の劇場で行われました。 財団の芸術学校でかつて教授を務めていた歌い手、ナランヒート・デ・トリアーナの名を冠したこのコンクール、今年の優勝はウエルバ出身のマリア・アンヘレス・ゴンサレス。2位はセビージャ県アラアル出身のアントニオ・ロペス、3位はマルタ・ボガドでした。 ©Fundación Cristina Heeren なお、6月18日には同劇場で舞踊部門の準決勝が行われ、参加者10人の中から、セビージャ、グラナダ出身が各2名のほか、マドリードとロシア出身の6人が7月18日に行われる決勝に進むこととなりました。またギター伴奏部門は7月10日コルドバで決勝が行われます。 【写真展『ラ・ルス・コン・エル・ティエンポ・デントロ』】 セビージャ観光の中心地、サンタ・クルス街、ムリージョの家にあるインスティトゥート・アンダルース・デ・フラメンコで、クラウディア・ルイス・カロの写真展『ラ・ルス・コン・エル・ティエンポ・デントロ』が5月24日から開催中。 ビエナルのオフィシャル写真家を務める彼女は1993年バルセロナ生まれ、ヘレス在住。ビエナルでの写真とは全く違う、白黒で描いたアーティスティックな写真はここ数年で撮影されたものなのに、何十年も前のフラメンコの香りがしてくるのが不思議です。きっと彼女の中に確固たるフラメンコ観とでもいうようなものがあって、それにあう写真を、瞬間を探しているのかもしれない、という気もします。 入場無料なのでお近くにお越しの際はぜひ。 Instituto Andaluz de Flamenco. 住所calle Santa Teresa, 8 Sevilla (月)〜(金)08:30〜15:00 土日祝休 【筆者プロフィール】 志風恭子(Kyoko Shikaze)/1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。 >>>>>
- 新・フラメンコのあした vol.5
(lunes, 3 de julio 2023) 20年以上にわたりスペインで活動するジャーナリスト東敬子が、今気になるスペインフラメンコのあれこれを毎月お届けします。今月は、前回も取り上げたフェスティバル「フラメンコ・マドリード2023」から、エル・トロンボによるワークショップについてお伝えします。 文・写真/東 敬子 Texto y fotos por Keiko Higashi エル・トロンボ『ウン・パシート・アル・ピエ・デ・ラ・レトラ』 フェスティバル「フラメンコ・マドリード2023」 エスパシオ・アビエルト「キンタ・デ・ロス・モリーノス」、マドリード(スペイン) 2023年5月14日 El Trombo, “Un pasito al pie de la letra” Festival Flamenco Madrid 2023 Espacio Abierto Quinta de los Molinos, Madrid. 14 mayo 2023 大抵の人が大人になってから外国の文化としてフラメンコに触れるという日本人としては、その本質というか「フラメンコって結局なんなん?」という部分が、たとえ上達しようとも、いつまでも理解できない部分として心に残る事だと思います。それを「ああ、そういう事か」と目を開かせてくれたのが、今回行われたエル・トロンボによる子供たちのためのワークショップでした。 第7回「フラメンコ・マドリード」フェスティバルが、5月14日に子供たちが出演したフンダシオン・アララによる『アルボル・デル・フラメンコ』公演で開幕したのは前回の投稿でレポートした通りですが、同日に別の会場で、このワークショップが朝・夕の2開催で行われました。 私が参加したのは夕方の回で、10人程度の子供たちとそのお父さんやお母さん、そして私という少人数でしたが、とってもアットホームな雰囲気の中で楽しむことができました。 1971年セビージャのトリアーナ地区に生まれ、そのアルテをラス・トレス・ミル地区で育んだエル・トロンボことホセ・スアレスは、日本ではお馴染みのバイラオールでファンだという方も多いかと思います。その一挙一動は、まさにフラメンコ。自分の生き方や考えを表現するためにフラメンコをあくまで手段として使う踊り手がとても多い現代にあって、彼はフラメンコとはなんぞやを追求することに人生を捧げる、今では数少なくなった生粋のフラメンコと言っても過言ではないでしょう。 踊り手としての公演活動のほか、彼が現在提唱している「フエラ・デ・セリエ」プロジェクトでは、難しい環境に生きる子供たちの育成や援助を目的としてフラメンコを教えています。今回のワークショップ「ウン・パシート・アル・ピエ・デ・ラ・レトラ」も、その一環として行われました。 会場となったマドリードのエスパシオ・アビエルト「キンタ・デ・ロス・モリーノス」は、大きな公園の一角に設けられた子供たちのための施設で、週末ともなると様々な催しに参加しようと家族連れで賑わいます。建物内にはイベント会場のほか、子供が遊べる遊戯スペースやカフェテリアもあり、幼少の頃から肩肘はらずにアートに触れることができて非常に良い場所だなと思いました。 子供たちと一緒に会場に入り、トロンボは入り口で私の姿を見たからなのか「昨日日本から帰ってきたばかりだ」と、まずは日本のエピソード・トークで大人たちの空気をほぐします。そして子供たちに向けて、テーブルに並べられた色々な小道具を使い、丁寧にフラメンコを紐解いて行きました。 まずは、「コンパス」から。彼は言います。フラメンコのリズムは身体の中のリズム、つまりは鼓動を表現しているのだ、と。そうやって胸を手で「タンタン、タンタン」と叩き、みんながそれに続きます。 タンゴの歌詞を子供の一人に読ませると、その子はただ書いてある文字を読むのではなく、自然な言葉のリズムで読みました。そこでトロンボはすかさず、それが「歌」だよ、と褒めてくれるのです。私は、ああ確かに、と目から鱗が落ちるようでした。 親子全員を2つのグループに分けて、左のグループが最初のフレーズを読んだら次のフレーズは右のグループというように、そしてメロディーも少しずつ付けながら、気がつけばタンゴをみんなで歌っていました。 じゃあ、ちょっと動いてみようと、前に進んだり左右に動いたりしているうちに、気がつけばタンゴを踊っていました。ただ振付を追うだけでは、どんなに上手く踊っても「タンゴって何」には辿り着けない。タンゴを楽しむその気持ちも、味も匂いも分からない。しかしトロンボの「指導」で、それがまざまざと見えてきます。私は隣にいた知らないお父さん(笑)と、とっても楽しく踊らせてもらいました。 他にも、「ハレオって何?」を説明するときには、彼は子供たちに典型的なハレオを言わせたりしません。誰かを励ましたり何か言いたいときに、自分なら何て言う?と尋ね、それを紙に書かせます。そしてみんながそれを読むと、トロンボは「こんな感じかな?」と言って、その「声援」に合わせて一振りしてくれるのです。すると子供たちの目は輝き、お父さんやお母さんからは「オレ!」の声が自然と上がりました。 最後はジャガイモを使って、ブレリアのコンパスを分かりやすく説明してくれました。大きいお芋の時は指先でテーブルを強く弾く、でも小さいお芋では優しく弾く…と言うように。そうやって小難しいリズムも難なくクリア。 本当に、子供だけでなく、日本でもフラメンコ練習生なら大人でもぜひ体験してほしいワークショップでした。 【筆者プロフィール】 東 敬子 (ひがし けいこ) フラメンコ及びスペインカルチャーのジャーナリストとして、1999年よりマドリード(スペイン)に在住し執筆活動を続ける。スペインに特化したサイト thespanishwhiskers.com(https://spanishwhiskers.com/?page_id=326)を主宰。 >>>>>