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- 第12回CAFフラメンコ・コンクール開催!
(martes, 29 de agosto 2023) 公益財団法人スペイン舞踊振興MARUWA財団主催による、第12回CAFフラメンコ・コンクールが今秋開催されます。 このコンクールは2年に1度開催され、若手芸術家の育成を目指し、将来性のある舞踊家を発掘し、スペインでの研修機会を提供するための対象者を選考することを目的としています。 応募資格は、スペインでのフラメンコ研修を希望する35歳以下(2023年3月31日時点)の方が対象で、一次予選ではDVDの応募によるビデオ審査が行われます。 応募受付は今月16日から始まっていて、サイトの専用フォームより応募用紙を取り寄せ、必要事項を記入の上、一次予選用動画DVDや必要書類等を揃えて郵送での申込みとなります。 締切は<9月5日(火)17時必着>となっておりますので、エントリーご希望の方はお早めに! なお、二次予選・本選の観覧チケットは、チケットぴあにて9月1日より発売開始となります。 [日程] 一次予選:応募DVDによるビデオ審査(受付期間2023年8月16日~9月5日17時必着) 二次予選:2023年11月14日(火)15:30~ 北千住Theatre1010 本 選 :2023年11月30日(木)16:00~ 北千住Theatre1010 [チケット取扱] チケットぴあ(https://t.pia.jp )※9月1日(金)発売開始 [主催] 公益財団法人スペイン舞踊振興MARUWA財団 住所:東京都港区芝3-16-13 MARUWAビル2階 連絡先:info@mwf.or.jp/ 03-5419-6513 財団サイトURL:https://mwf.or.jp コンクールサイトURL:https://mwf.or.jp/caf/1680 >>>>>
- ★news☆今枝友加カンテソロライブ
Flamenco fan LIVE 今枝友加カンテソロライブ開催! (miércoles, 16 de agosto 2023) 昨今ようやく落ち着いて外出したりこれまでの日常が少しずつ戻ってきたところで、美味しい食事やお酒を味わいながら、迫力ある生のフラメンコライブを楽しんでほしい!との思いから、毎回素晴らしいアーティストをお招きする«Flamenco fan LIVE»を開催します。 その門出を飾る第1回目の出演者は、踊りでも歌でも各地のライブで大人気、まさにフラメンコ界の『二刀流』の名にふさわしいアーティスト、今枝友加さんです。 今回のライブで披露していただくのはカンテ(歌)のソロライブで、協演には熟練の技と味わい深い音色が魅力の、古き良き時代のフラメンコギターを今に受け継ぐ巨匠、エンリケ坂井さんが出演します。 主演の今枝さんからは「今回のライブは、新しいパロ(曲種)はもちろん、あたため続けてきたパロ、前回では不完全燃焼で、もう一度ちゃんと歌ってあげたいパロなど、盛りだくさんになりそうです。全身をつかって、しぼって、心からうたいます」とコメントをいただきました。 フラメンコライブが初めての人も何度も行ってる人も、ここでしか体験できない心ゆさぶるライブをぜひお楽しみください! 皆様のご来場を、心からお待ちしております。 [日時]2023年10月15日(日) 開場16時 開演17時(2部制、入替無し) [出演] カンテ 今枝友加 ギター エンリケ坂井 [料金]チャージ5,500円(2プレート&1ドリンク付き、税込) ※受付にて、現金でのお会計をお願い致します。 [会場]スペインバル 青山TORO 東京都渋谷区神宮前5-51-8 ラポルト青山B1 (東京メトロ表参道駅B2出口より徒歩3分) [予約] ※ただいま満席のご予約のため、キャンセル待ちとして受付させていただいております。 メール flamenco.aoyamatoro@gmail.com 電話03-6450-6018(平日12~23時/土日祝17~22時) ※ライブ配信は予定しておりません。 ※キャンセルのご連絡は前日までにお願いします。当日キャンセルの場合は、チャージ全額のご負担をお願いしております。ご理解の程よろしくお願い致します。 >>>>>
- 石井智子スペイン舞踊団公演『星の王子さま -孤高の薔薇-』
(domingo, 27 de agosto 2023) 2023年1月28日(土)・29日(日) 銀座 博品館劇場(東京) 文/金子功子 Texto por Noriko Kaneko 写真/川島浩之 Foto por Hiroyuki Kawashima 東京を拠点に舞踊活動を展開する石井智子スペイン舞踊団による劇場公演が、東京・銀座の博品館劇場で2日間3公演上演された。 今回の原作となったのは、世界中で親しまれているサン=テグジュペリの不朽の名作「星の王子さま Le Petit Prince」。その物語をフラメンコと現代ダンスという異なる舞踊表現により、双方の魅力や可能性を巧みに組み合わせた演出で舞踊作品に仕立てた。 音楽面では、楽器にフラメンコギターの他にバイオリンやアコーディオンも取り入れ、パーカッションでは朱雀が得意とするタングドラムをはじめジャンベなど10種類以上の様々な楽器を使い、豊かな音色で物語の世界観や登場人物の心情を彩った。歌についても、川島が物語に沿ったスペイン語の歌詞を20個以上作詞したり、井上も選曲の提案や日本語での作詞を手掛けるなど、細やかな表現にもこだわりを見せた。 舞台は幻想的なタングドラムのメロディーで幕を開ける。プロローグは、4人のダンサーによる動物を連想させるような象徴的なポーズでワンシーンを飾り、そして今作の主役である薔薇役の石井が舞台中央に登場する。赤のバタ・デ・コーラをまとう姿はまさしく薔薇のよう。パリージョ(カスタネット)を奏でながら、慈愛に満ちた表情で優しく大らかに舞う。 今作での薔薇の存在について、石井はプログラムのあいさつ文で「(薔薇は)夫・恋人・子・大切な人への愛情を湛えた女性の象徴として登場し、最後は薔薇と王子さまが再会するという、原作にはないハッピーエンドで幕を閉じ、皆様にはぜひ温かい気持ちでお帰りになっていただきたい」と語っている。 砂漠に不時着した飛行士が王子さまと出会う場面。飛行士役には現代ダンスで活躍する木原を起用し、ソロのダンスシーンでは柔らかい身体を生かした伸びやかな踊りで作品の世界観を表現する。そして王子さま役の岩崎はギターの演奏に乗せてブレリアを踊り、フラメンコらしい音楽でドラマティックな場面を演出した。 岩崎は公演当時19歳と、今後が楽しみなダンサーだ。王子さまのソロの場面では若々しく力強いソレアポルブレリアを披露。さらに現代ダンスも学んでいるということで、師でもある飛行士役の木原との共演シーンでも息の合った踊りを見せた。今回は劇場作品のため役の衣装での踊りだったが、いつかぜひタブラオなどで踊る姿を観てみたいと思う。 薔薇として王子さまを見守り慈しむ石井は、様々な場面でその心情を表現した。薔薇が王子さまの星に生まれて大きく成長するまでの場面では、ピンクのバタ・デ・コーラの衣装でファンダンゴの曲を優美に舞う。そこに岩崎がカホンや足を打ち鳴らして、親子共演としても薔薇と王子さまとしても心温まる共演シーンとなった。また、たった一人で星に残された薔薇が悲しみに耐える場面では、ソレアの音楽とともに渾身の踊りで深い孤独を表現した。 星を旅立った王子さまが6つの小惑星を訪ねる場面では、行く先々で出会う王様やうぬぼれ屋、呑んべえに実業家、街灯の点灯夫、地理学者といった変わった大人たちを、ガロティンやマルティネーテ、ティエントなど様々なフラメンコの曲種で演出。衣装にもその役柄の個性がよく表れ、多彩なバリエーションが楽しめた。 物語のカギを握るヘビの役は、石井と同じく小松原庸子スペイン舞踊団出身の南風野が好演。少しずつ王子さまに忍び寄り、不穏な展開を暗示する。柔らかい腕でマントンを翻しながら妖艶に舞い、鋭い目つきと妖しげな雰囲気で存在感を示した。 王子さまと友達になり大切なことを教えるキツネ役には、現代ダンスの細川を起用。しなやかな身のこなしでキツネらしい軽快な舞踊を表現した。 惑星や砂漠といった象徴的なシーンは現代ダンスによる群舞で巧みに演出し、バオバブの木のシーンでは不気味で底知れないエネルギーを表現。フラメンコによる群舞ではアレグリアスの曲をアバニコで華やかに踊り、咲き誇る薔薇たちを表現した。 薔薇が王子さまと再会を果たす最後のシーン。石井はパリージョを奏でながら赤のバタ・デ・コーラ姿でグアヒーラを舞い、再会の喜びを表現する。岩崎もカホンで共演し互いに大切な存在であることを確かめ合い、幸せな空気に包まれながら幕を閉じた。 主宰の石井が子供の頃から愛読していた物語を舞台化するという、長年温め続けてきた構想が晴れて結実した今回の公演。当初は昨年の上演を予定していたとのことだが、苦渋の決断による延期を経ての今回の上演は喜びもひとしおだったことと思う。共演者やスタッフの思いもひとつになり、鑑賞していてやさしく温かい気持ちが伝わってくる素晴らしい作品であった。 【出演】 石井智子(フラメンコ)/薔薇 南風野香(フラメンコ)/ヘビ 木原浩太(現代ダンス)/飛行士 細川麻実子(現代ダンス)/キツネ 岩崎蒼生(フラメンコ)/王子さま 石井智子スペイン舞踊団(松本美緒、小木曽衣里子、清水真由美、福田慶子、樋口万希子、角谷のどか) 加藤みや子ダンススペースカンパニー(細川麻実子、田路紅瑠美、江藤裕里亜、上村有紀、杉山佳乃子、鈴木梨音) ギター:鈴木淳弘 カンテ:川島桂子、井上泉 アコーディオン:Miyack バイオリン:依田彩 パーカッション:朱雀はるな 石井智子(振付・構成・演出) 加藤みや子(現代ダンス振付・監修) >>>>>
- Flamencofan インタビュー:JURINA
(フラメンコダンサー) (martes, 22 de agosto 2023) 昨年12月に若手のフラメンコダンサーを中心にキャスティングして、その脚本や演出、音楽のクオリティを含め作品としての完成度の高さが大きな評判となった舞台『カルメン』。その主宰であり主演も務めたフラメンコダンサーJURINA(ジュリナ)さんに、作品作りの舞台裏や今後の展望についてお話を伺いました。 聞き手/金子功子 Entrevista por Noriko Kaneko ――昨年の舞台『カルメン』の大成功、おめでとうございます。大きな舞台を終えて今の心境をお聞かせいただけますか? JURINA:公演を終えて約半年たちましたが、すごく素直に言うと、正直まだ信じられないです。当時のオフショットや動画などをたまに見返すんですが、あれだけ多くの方が関わってくださった舞台を自分が主宰したということに、今でも驚きます。この作品に関わってくださったたくさんの方々に、本当に感謝しています。 ――出演者も多かったかと思いますが、裏方のスタッフも相当多かったのではないですか? JURINA:はい、最終リハーサルで大きめのスタジオを借りたんですが、そこに当日現場で動いてくれるスタッフさんも全員来てくださって、その人数に圧倒されました。また当日に舞台の設営現場にご挨拶に行った時も、そこで本当に多くの方が動いてくださっているのを目の当たりにして、舞台ってすごいなって思ったことを今でも鮮明に覚えています。 ――まさに夢のような一大作品でしたね。では、企画の立ち上げの頃に遡ってお話をお聞きしたいと思います。公演を開催しようと思った直接のきっかけは何でしたか? JURINA:日頃からお世話になっている方とお話しをしていた時のことなんですが、自分のフラメンコの今後という話題になって、そこで私が小さい頃から温めてきたカルメンをやりたいという夢について、たまたまお話ししたんです。そうしたら、今は文化庁や他の助成金もあるし、周りに知り合いの踊り手やミュージシャンも増えてきたし、できる状況じゃない?と背中を押されました。そう言われると確かに、実現のために必要なピースは全て揃っていて、どの方向から考えても状況的には可能だという事が分かりました。もしやらない選択肢があるとしたら、それは自分の気持ちの中にある「怖い」とか「まだ早いんじゃないか」というネガティブ要素だけだったので、もしそれが拭えないなら結局その程度の夢だったってことよね…と考えたときに、やろうと決断しました。 ――その話が出たのはいつ頃ですか? JURINA:去年の4月頃だったと思います。そこから1か月くらい悩んで、5月に腹を括りました。 ――小さい頃に「カルメンをやりたい」と思ったきっかけは? JURINA:小学2年生の頃に、母に連れて行ってもらった宝塚歌劇団で初めて『カルメン』を観ました。それが私にとってのスペインやカルメンという作品とか、すべての出会いの始まりです。母はバレエや宝塚が好きでしたので、私にはそっちの世界に進んでほしかったようですが…。でも私はスペインの雰囲気に惹かれました。カルメンという役柄への憧れと、あのカラッと明るい人々がたくさん登場する舞台の陽気な雰囲気が忘れられませんでした。 ――舞台作りのために、まず何から始めましたか? JURINA:まずは演出と音楽だ、と思って舞台経験が豊富な舞踊家の田村陽子さんと、素晴らしい音楽性を持ちフラメンコギターデュオ「徳永兄弟」としても活躍中の徳永健太郎さんにお話しさせていただいたのが始まりです。それと、会場探しですね。そこからキャスティングと脚本と、いろんなことが同時にスタートしました。脚本については、まずどういったカルメンにしたいか全体像を考え、そこから第1幕はどこからどのシーンまでといったベースの構成を決めて、書かせていただいた脚本を陽子さんに見ていただき、そこから演出とすり合わせました。音楽については、まずはどの場面にどういう曲をはめるか陽子さんがアイデアを出してくれたものを元に健太郎さんと3人で検討して、最終的にどの曲を書き下ろして、どの曲をフラメンコの従来の曲種をあてはめるかなど決めていきました。 ――結構大変だったことってありましたか? JURINA:正直、進み始めてからは大変だとか感じる以前に、ただ成功させたいという一心でした。ですが、やはり最初の頃の進み出すまでは、劇場もすぐには決まらなかったし、これまで公演を作ったことも無かった私が各方面の皆さんにオファーをするので、例えば共演の方にどれだけ時間を割いてもらうかなどをお願いするのは難しかったです。リハーサルや合わせなどがどのぐらい必要とかも分からなかったので、どこまでどういう風にお伝えするかなど、そこはけっこう大変というか…慎重に進めました。でもみなさん、スケジュールについては本当にすごく協力してくれました。 ――会場選びは何が大変でしたか? JURINA:まず現実問題として、空いてなかったですね。集客人数の規模やフラメンコができるかできないとかで候補を選んで、100件くらい問合せました。東京や神奈川、埼玉、千葉の会場などもあたって、最終的には都心の劇場か今回の大田文化の森ホールかの2択になりました。都心の劇場は施設利用料なども高額でしたので、それだったらその分出演者やスタッフさんに回したいと思い、お客様にはアクセスの面でご足労をお掛けしましたが現実的な方を選ばせていただきました。 ――実際JURINAさん自身は出演もされていましたが、両方をやるのは時間的に大変だったかと思います。練習時間は確保できましたか? JURINA:できるだけ確保するように、自分のスケジュールはかなり細かく組みました。事務作業などもすべて書き出して、細かく管理してました。もちろん正直に言えば、もっと練習時間が取れればいいなという理想はありましたが…、試行錯誤でやってましたね。 ――準備段階で、記憶に残っているエピソードはありますか? JURINA:準備段階ではやはり集客面が一番不安が大きかったんですが、いろんな方とお話しさせていただく中で、様々な形で協力を申し出てくれる方々がたくさんいてくださったことには、すごく救われました。それとリハーサルを進めていく中で、ミュージシャンの方々が本来の予定日ではないのに打ち合わせで集まってくれたりとか、ダンサーの皆さんもいろいろすり合わせてくれてたという話を聞いて、そういう出演者の皆さんの気持ちが本当にうれしかったし、これは大丈夫だなと思えたのが印象深いです。 ――当日は順調でしたか? JURINA:本番 3日前くらいから、当日無事に全員小屋入り出来たら大丈夫だろう、という自信はありました。だから、実際に当日全員無事に小屋入り出来て、「あ、これは大丈夫だ」と思った記憶はあります。でももしかしたら、私の知らないところで小さなトラブルなどはあったかもしれませんが…。 ――公演が無事に終わって、その後のご自身の環境や内面に何か変化はありましたか? JURINA:そうですね、やはりある種の責任感は強くなったと思います。もちろんいろんな方の力のおかげでもありますが、今は我が子のような気持ちでこの作品を見ています。環境というか、考え方はガラッと変わったと思います。 ――次に向けて何かプランはありますが? JURINA:私の中では正直一択で、再演したいと思っています。そして再演するなら、前作を超えるというのより、自分の中でこういうのを加えたいというアイデアがあるので、それを加えた上での再演を目指したいと思っています。 ――それなら思い切って、カンパニーとか立ち上げたりとか? JURINA:それはまだまだですけど(笑)。いずれにせよ再演に向けては、まず自分の中でしっかりした地図、ロードマップを描けなければと思っています。資金繰りはもちろんですが、どうやって多くの人に観ていただけるか、自分のやりたいことをどうやったら実現できるかとか、何が効果的で何がそうでないかとか、自分でしっかり絵が描けないと進めないので、今はその段階です。道は長いですが、がんばります。 ――今後、フラメンコダンサーとしてどういう将来像を描いていますか? JURINA:これはカルメンとはまた違う部分ですけど、フラメンコについてもっと探求していきたいですし、自分自身の理想としては、どこまでも自由にフラメンコができるようになりたいと思います。今はこの振りをやりたい!というのが出てきてしまうんですが、もっとこう…自分の中から溢れ出るものを、大切にできるようになりたいですね。それによって、観てくださっている人に何かをプレゼントできるようなダンサーでありたいな、と思っています。 ――「自由」というのは、自分の中から溢れてくるものを思いのままに表現できるようになりたいってことですか? JURINA:自分の中から溢れ出るものがきちんとフラメンコでありたい、という風に思っています。それにはもう、年数やいろんな努力がまだまだ必要ですけど。どうしても今はまだ、例えば何かの曲を聴いたときにすごくフラメンコが思い浮かぶかというと、その域までは行けてないのが自分では分かるので、もっと骨身に染みていけるように、そこは勉強とフラメンコへの愛を重ねていきたいな、と思っています。 ――これはもう、スペインに行くしかないですね(笑) JURINA:そうですね(笑) 【プロフィール】 JURINA/2歳半よりクラシックバレエを始め、幼少期から様々なステージ経験を積みながらバレエ、声楽、演劇などのレッスンに励む。成人後はコンテンポラリーダンスや演劇などに活動の幅を広げ、海外公演などにも出演する。2013年よりフラメンコを開始、1年後にスペインへ留学を行う。その後も渡西を繰り返し、数々の著名なスペイン人講師に師事。 2018年より本格的にフラメンコダンサーとしての活動を開始。様々な場所にてパフォーマンスを行うと同時にフラメンコユニット、LosTopos(ロス・トポス)の立ち上げも行う。2022年よりイベント主催者としての活動を開始。同年に『東京フラメンコフェスティバル』『La aroma』『CARMEN』など3本の公演の主催・制作・出演を行う。 【JURINA公式サイト】 https://www.jurinaflamenco.com >>>>>
- 第4回全日本フラメンココンクール 結果発表!
(domingo, 18 de junio 2023) 今年で第4回目となる全日本フラメンココンクールの本選が、去る4月21日に東京のスペイン大使館で開催されました。今回はコロナ禍で続けられてきた行動制限も大幅に緩和され、予選・本選とも一般の観客を会場に受け入れての開催となりました。東京と大阪で行われた予選を通過したバイレ部門15名、カンテ部門10名のファイナリストらが顔を揃え、踊りに歌唱に全力で取り組みその技術と表現を披露しました。 各賞の受賞者の皆さんのコメントをご紹介します。 なお、来年はこのコンクールも5周年を迎え、現時点の情報では来年4月に開催を予定しているということです。 主催:全日本フラメンココンクール事務局 後援:スペイン大使館、公益財団法人日本スペイン協会 編集/金子功子 Edición por Noriko Kaneko 写真/大森有起 Fotos por Yuki Omori 【第4回全日本フラメンココンクール】 [カンテ部門] 優勝 中里眞央 準優勝 許 有廷 [バイレ部門] 優勝 内田好美 準優勝 石川慶子 小松原庸子特別賞 佐藤心晴 平田かつら [カンテ部門] 優勝 中里眞央 【中里眞央さん受賞コメント】 「どこまでも暗く、深い深いフラメンコの海を、わたしは日々愛おしく感じます。いつもギターの音色で寄り添ってくださる斎藤誠さん。右も左もわからないヒヨッコ舞踊団員だった私を信頼して育て続けてくださった鍵田真由美先生、佐藤浩希先生。感謝してもし尽くせません。いただいた賞に恥じぬよう精進し、日本フラメンコ界、ひいてはフラメンコ界全体に貢献できる表現者となれるよう、これからも足掻き、迷いながらも進み続けます。」 準優勝 許 有廷(ホウ ユウジョン) 【許有廷さん受賞コメント】 「今回は2度目の挑戦だった。昨年はカンテ部門が新たに設けられたのでチャレンジしてみたいと思いエントリーしたが、コンクールの前に母を亡くし精神的に辛い日々が続き練習に励むことが出来ず、自身の勉強不足もあり、結果的に良い成績を収めることが出来なかった。今年も随分迷ったが、もう一度チャレンジしてみることにした。バイレの伴唱も引き受けていたのでかなりのプレッシャーはあったが、バイレの方の頑張る姿に刺激を受けながら自身も頑張ることができた。大変有難いことに受賞することができて正直とても嬉しい。が、これまで以上に厳しい現実が待っているかも知れない。本業の傍らでフラメンコと両立するのは大変ではあるが、無理をせず今までやってきた経験や気持ちを忘れず、一生修行の身で努力していきたいと思う。」 [バイレ部門] 優勝 内田好美 【内田好美さん受賞コメント】 「第4回全日本フラメンココンクールにおいて、優勝できたこと、とても光栄であり、嬉しいです。私の踊りを支えてくださったミュージシャンの皆さまには感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。『優勝』という言葉はとても特別です。気持ちを引き締めなおして、フラメンコと向き合い、自分を体現していきたいです。諦めないで、丁寧に踊る。これからもこの気持ちを大切にして頑張っていこうと思います。」 準優勝 石川慶子 【石川慶子さん受賞コメント】 「岡田昌巳先生が亡くなった。早く踊らないと、と思った。2015年スペイン・ウニオンでのコンクールは死ぬ気で準備した。その甲斐あってうまくいった、ところもあるが、実際はいろんな方から怒られた。それからずっと自分のタラントを探している。昌巳先生は面識もなかった私に真剣に意見をくださった方だ。だから今回は死ぬ気じゃなくて、産む気で頑張った。そしたら、私の方こそ新しい自分を発見したかのような驚きと喜び、そしてフラメンコへの新鮮な憧れを手に入れた。生まれ変わったのか?若い子に賞を譲る、気はない。でもそろそろ、評価を他人基準から自分基準に変えていかないといけないな。だってもうこのタラントのお母さんだから!」 小松原庸子特別賞 佐藤心晴(さとう こはる) 【佐藤心晴さん受賞コメント】 「この度は小松原庸子特別賞をいただき、とても嬉しく光栄に思います。エントリーのきっかけは、昨年のコンクールで同世代の方達が活躍されたことに刺激を受け、私も挑戦したい!と思ったことです。コンクールに向けて、学校から帰宅後、バイトのある日以外は自宅のそばの集会所を借りて練習しました。今回受賞できたことで、指導してくださった先生や応援してくださったスタジオ生の方々がとても喜んでくれたことが何より嬉しかったです。受賞に恥じないよう、これからもフラメンコにまっすぐ向き合っていきます。ありがとうございました。」 小松原庸子特別賞 平田かつら 【平田かつらさん受賞コメント】 「コンクールに向けてミュージシャンと一緒に予選と本選、2曲のヌメロ(曲種)を追求し、コミュニケーションした時間は学びや気付きの宝庫でした。河内さおり先生、カンテの許有延さん、ギターの宇田川卓俊さんと貴重な経験が出来たことに感謝致します。また、私が奨励賞をいただいた第30回新人公演はコロナ禍の影響で無観客でしたので、今回は家族や友達に見てもらえて最高に嬉しかったです。憧れても憧れても近づけないフラメンコの道、これからも一歩ずつ精進します。ありがとうございました。」 >>>>>
- 【速報】第32回新人公演入賞者発表!!
(lunes, 21 de agosto 2023) 去る8月11日から13日の3日間にわたり開催された第32回新人公演について、主催の一般社団法人日本フラメンコ協会(ANIF)より「奨励賞」およびそれに準ずる賞の受賞者が発表されました。 各部門の受賞者は、次の通りです。 【奨励賞】 カンテ部門 C-8 寺崎 恵子(てらさき けいこ) ギター部門 G-1 凛 -Rin-(りん) バイレ群舞部門 群-3 LLAMAS DE FRAGUAS(ジャマス・デ・フラグアス) バイレソロ部門 B-14 藤岡 里織(ふじおか さおり) B-22 吉田 智宏(よしだ ともひろ) B-32 中里 眞央(なかざと まお) B-35 畑中 美里(はたなか みさと) B-56 荒濱 早絵(あらはま さえ) 【準奨励賞】 カンテ部門 C-13 岡村 佳代子(おかむら かよこ) バイレソロ部門 B-9 片野 佳加(かたの よしか) B-39 地紙 直美(じがみ なおみ) 各受賞者の皆様、おめでとうございます! また8月19日(土)より、公演のアーカイブ配信視聴も始まっています。 受賞者を含む全76組の映像を、8月27日(日)23:59まで「ツイキャスプレミア配信」にて視聴できます。 配信チケットは各出演者からお求め頂くか、または以下のリンクからも購入可能です。 出演者の皆さんの熱い挑戦を、ぜひご覧ください! ① 「カンテ、ギター、バイレ群舞」(8月11日公演映像)チケット https://twitcasting.tv/c:oreodacci/shopcart/252621 ② 「バイレソロ1日目」(8月12日公演映像)チケット https://twitcasting.tv/c:oreodacci/shopcart/252812 ③ 「バイレソロ2日目」(8月13日公演映像)チケット https://twitcasting.tv/c:oreodacci/shopcart/252815 >>>>>
- Recuerdo/追憶 ep.5 Marina Heredia
(lunes, 21 de agosto 2023) 写真家・大森有起が綴るフォト&メモリー ©Yuki Omori 目の前にいる彼女は満ちていた 唄声も気持ちも溢れてた "Nothing is worth more than this day.” 今日より大切なものは存在しない Marinaが導いてくれた、宝物 >>>>>
- カンテフラメンコ 奥の細道 on WEB No.27
(lunes, 14 de agosto 2023) 文/エンリケ坂井 Texto por Enrique Sakai カンティーニャの乗り ~続き 前回書いた譜例の2つ目、カンティーニャの乗りのサリーダを12拍子の基本の足とパルマをしながら歌ってみよう。 アレグリアスのサリーダでは3拍目と10拍目で和音が変わる。和音が変わるというのは、つまりメロディーの流れの落ち着く所が3拍目と10拍目なのだが、カンティーニャ乗りにするとそれが10拍目と3拍目に入れ替わる。 これが乗りの変化となるのだが、なぜこんな歌い方をするかと言えば、リズム感の優れた人たちにとってはこの方が歌い方の自由度が増すからだ。そして乗りの感覚も変わる。 そのためには12拍子のコンパスを徹底的に身に付ける必要があるが、それができれば自由さを実感できると思う。 前回と同じく、ペルラ・デ・カディスが彼女の母親パペーラ・デ・カディス(市場でジャガイモを売っていたのでこの名が付いたそうだ)のカンティーニャを歌ったものを今回は例に出してみる。 (イスパボックスの録音より) 歌詞 Ni en La España ni en Italia ni en lo que cobijaba el sol, has de encontrar tú una flamenca que te quiera como yo. Coletillo Ay, que te quiero pero de 〈lachi〉no te lo〈peno〉. (訳) スペインでもイタリアでも お天道(てんとう)様の照る所では 私ほどあんたを愛する フラメンコ娘はいないよ。 あんたが好き、だけど 恥ずかしくて言えないわ。 ※〈lachi〉=羞恥心、〈peno〉=言う、告げる ぺルラはいつも同じ歌い方、乗り方をするわけではなく、毎回少しずつ違っていて、ある部分はもう少し間(ま)を取ったり、あるいは反対に待たないで入ったりとその時の気分によって変わってくる。 そして、それこそがこの乗り方の長所であり、自由に歌うことができるという事だ。 【筆者プロフィール】 エンリケ坂井(ギタリスト/カンタオール) 1948年生まれ。1972年スペインに渡り多くの著名カンタオールと共演。帰国後カンテとパルマの会を主宰。チョコラーテらを招聘。著書『フラメンコを歌おう!』、CD『フラメンコの深い炎』、『グラン・クロニカ・デル・カンテ』vol.1~32(以下続刊)。 ※CD『グラン・クロニカ・デル・カンテ』シリーズを購入ご希望の場合は、アクースティカ(https://acustica-shop.jp/)へお問い合わせください。(編集部) >>>>>
- ペペ・トーレス&マヌエラ・バルガス グループ
(sábado, 12 de agosto 2023) 2022年12月2日(金)~18日(日) Showレストラン「ガルロチ」(東京・新宿) 文/金子功子 Texto por Noriko Kaneko 写真/近藤佳奈 Foto por Kana Kondo 2022年5月から再開された、ガルロチでのスペイン人アーティストグループによるフラメンコ公演。その1年の締めくくりとなる舞台を務めたのは、フラメンコの名門家系に生まれ日本でも多くのファンから支持されるペペ・トーレスと、セビージャの名舞踊手イシドロ・バルガスの娘でスペイン国内外の舞台で活躍するマヌエラ・バルガスのグループだ。歌い手には、若手でありながら貫禄の歌声を持つヘレス出身のマヌエル・デ・ラ・ニナが参加し、ギタリストには数々の有名ダンサーとの共演実績があるベテランのエウヘニオ・イグレシアスが加わる。当初の予定ではここに来日経験の豊富なカンタオール、モイ・デ・モロンも加わるはずだったが、直前で体調不良となり残念ながら来日は叶わなかった。 今回取材鑑賞したのはAプログラム。通常より1名少ない編成でのステージとなったが、いざ舞台が始まるとその少なさを全く感じさせない密度の濃いパワフルなパフォーマンスが繰り広げられた。 第1部のオープニングの演目はマルティネーテ。マヌエルが張りのある歌声を会場いっぱいに響かせ、観客の心をつかむ。歌を感じたままに自然体で踊るマヌエラは、その佇まいにフラメンコに対する誠実さが表れる。ペペは持ち前のリズミカルで弾力のあるステップを披露し、ギターとカンテの白熱していく演奏とともにキレのある力強さを印象付けた。 ギターソロでは、エウヘニオが繊細な音色とゆったり情感あふれるメロディーのタランタを奏でる。中盤からテンポを上げると疾走感とともに新鮮な情景を楽しませてくれた。 また、第2部冒頭はカンテソロの予定だったが、4人によるフィエスタのような舞台を展開。踊り手のマヌエラから歌い始め、ステージ中央で意気揚々とブレリアを歌い踊りフェステーラぶりを発揮する。次いでペペもカンテを自在に歌い生き生きと踊り、ステージで際立った存在感を放つ。軽快なギター伴奏とともに、互いに息の合ったパフォーマンスで観客を楽しませた。 踊りのソロは、マヌエラが1部の即興プログラムでソレアを、2部はロマンセを披露。父親から受け継いだ名家のスタイルを大切にするような、歌やギターと調和がとれた踊りで観る者を魅了する。 ペペは1部がアレグリアス。チャコールグレーのスーツに少し緩めたネクタイが、小粋で格好いい。曲の冒頭から軽快なパルマを響かせ、飄々としながらキレの良い踊りと足さばきに観客の目は釘付け。2部のソレアでは抑揚のある踊りと超人的な足技で場内の空気を圧倒した。 対照的な持ち味が魅力の二人の踊り手の舞台を観て、改めてフラメンコの幅広い魅力と奥深さを堪能した。今回はイレギュラーな状況ではあったが、それでも個々のアーティストがその持てるパフォーマンスを最大限に発揮してくれたことで、人数に関係なくこんなにも素晴らしいステージが楽しめるのだということを証明した、心に残る公演だった。 【出演】 [バイレ]ペペ・トーレス(Pepe Torres)/マヌエラ・バルガス(Manuela Vargas) [カンテ]マヌエル・デ・ラ・ニナ(Manuel de la Nina) [ギター]エウヘニオ・イグレシアス(Eugenio Iglesias) 【プログラムA】 [1部] ・プレゼンテーション/マルティネーテ ・ギターソロ(エウヘニオ・イグレシアス) ・即興による演目(マヌエラ・バルガス) ・アレグリアス(ペペ・トーレス) ・フィン・デ・フィエスタ [2部] ・カンテソロ ・ロマンセ(マヌエラ・バルガス) ・ソレア(ペペ・トーレス) ・フィン・デ・フィエスタ 【プログラムB】 [1部] ・プレゼンテーション/タンゴ&ブレリア ・ギターソロ(エウヘニオ・イグレシアス) ・カンティーニャ(マヌエラ・バルガス) ・即興による演目(ペペ・トーレス) ・フィン・デ・フィエスタ [2部] ・カンテソロ ・タラント(マヌエラ・バルガス) ・セギディージャ(ペペ・トーレス) ・フィン・デ・フィエスタ >>>>>
- 新・フラメンコのあした vol.6
(lunes, 7 de agosto 2023) 20年以上にわたりスペインで活動するジャーナリスト東敬子が、今気になるスペインフラメンコのあれこれを毎月お届けします。今月もフェスティバル「フラメンコ・マドリード2023」から、若手フラメンコダンサーの舞台作品についてお伝えします。 文/東 敬子 Texto por Keiko Higashi 写真/ 宣材写真、東 敬子 Fotos / material promocional , por Keiko Higashi フリオ・ルイス『トカール・ア・ウン・オンブレ』 フェスティバル「マドリード・フラメンコ 2023」 セントロ・クルトゥラル・デ・ラ・ビジャ、フェルナン・ゴメス劇場、マドリード(スペイン) 2023年5月27日 Julio Ruiz “Tocar a un Hombre” Festival Madrid Flamenco Fernán Gómez. Centro Cultural de la Villa, 27 mayo 2023 Madrid. 『トカール・ア・ウン・オンブレ』というタイトル、グーグル翻訳では「男(オンブレ)に触れる」と、あからさま。けれど私は、「人間(オンブレ)に触れる』と訳したい。もしくは「愛に触れる」と。 30歳となったフリオ・ルイスが、出会いの中で「愛」というものに初めて触れる(気づく)、それによって起こる、心の波動が上下する様を、私たちはこの作品の中で自分のことのように追体験するのです。 ともあれシノプシスには、意味深なタイトルですが非常に分かりやすいビジュアルの画像が付いていて、しかも18歳指定と注意書きもあり、まあこの時点で、私はなんとなく予想がつきました。「ああ、多分、裸が出てくるな」と。 そう、コンテンポラリーダンスよろしく、モダンなフラメンコでは時々、作中で踊り手さんが裸になったりするんですよね(汗)。スペイン国立バレエ団の作品にもあったし、ラファエル・アマルゴ作品や、ロシオ・モリナ作品でもありました。慣れっこになっている私ではありますが、今回は小スペースでステージと客席がすごく近かったことと、私の席は最前列中央だったこともあり、目の前で見る「おしり」には流石に目のやりどころがありませんでした(笑)。 2023年5月マラガのフェスティバルで初演された今回の作品。10分前に会場に入ると、ステージにはすでに主役フリオと、この作品のパートナーを務める、コンテンポラリーダンサーで現在28歳のハビエル・デ・ラ・アスンシオンがいて、スペースの端と端に分かれて、それぞれの想いに耽っていました。 開演時間になると、彼らはおもむろにお互いの存在に気づき、最初は目配せを交わし、少しずつ距離を縮め、握手をし、笑い合い、その瞬間にふと触れた肩にお互いが驚き、戸惑い、やがて挨拶のハグが、気持ちを確かめる抱擁に変わり、そしてハビエルがその衣服を一枚ずつ脱いでいくと、フリオはステージ上に置いてあったフラメンコブーツを履き、ハビエルの裸の背中を、胸を、お腹を叩いてコンパスを取りながら、激しいサパテアードを繰り出すのです。 彼は語り出します。「大体、いつもこんなだよな」。街に出かけ、楽しい時を過ごし、でもその後には何があるだろう。いつも同じことの繰り返し…。そんな想いに囚われた彼は、多分いつもの様に、短かったハビエルとの仲を清算しようとします。でも、ハビエルはめげません。「僕ほど君を愛している者はいないよ」。彼はこの言葉を、これでもか!とフリオに繰り返します。 フリオは葛藤します。彼のサパテアードが再び炸裂します。本気になることへの恐れでしょうか。それとも束縛されることへの? けれどハビエルはめげません。ここは見習いたいところです。楽器を演奏したり、ラブソングを歌ったり。そしてフリオは遂にその熱意にほだされ、連れ戻され、二人のパワーバランスは逆転します。最後は二人で、TikTok動画風のセビジャーナスを踊ったりして、フリオの自由奔放だった独身生活は幕を下ろすのです。 コンテンポラリーダンサーとのコラボに、セリフがあったりと、フラメンコ舞踊作品と言い切るには、もう少しフリオのフラメンコを増やしてほしかったと言うのが、私の率直かつ一番言いたいことですが、フラメンコと言わず、ダンス作品、パフォーマンスとして観た場合は、とても面白かったなと思います。 まずはバイラオールとしてのフリオの才能。それが素晴らしい。上手いし、存在感もある。近年の若手では特出していると思いました。そして作品も、くだくだ回りくどくない。非常にストレートで、言いたいことが踊りの表現からダイレクトに伝わるし、だからこそ見る者が共感できる。 私はダンスをセリフで補うのは基本的に好きじゃないし、観客が会場に入ってくる時にはすでにステージが始まっている演出は、エバ・ジェルバブエナをはじめ色んな人がやったし、恋人の体を叩いてリズムを取ったりするコミカルで冒険的なノリや、「音楽」を最小限にした演出も、やはりロシオ・モリナ風ですよね。 ただ、こういった人達の作品を見て育った世代だから、そこに影響されたり、それを目指したりするのは仕方がないことだと思うし、それにも増して、疑う余地のないその才能に、私は期待して止みません。次の作品ではぜひ、もっと彼のフラメンコを見せてほしいと願うばかりです。 ちなみに、彼らのTikTok風セビジャーナスはこちら。みんなもやってみてね! https://www.instagram.com/reel/CtPfqkeIsXE/?igshid=MTc4MmM1YmI2Ng== 【筆者プロフィール】 東 敬子 (ひがし けいこ) フラメンコ及びスペインカルチャーのジャーナリストとして、1999年よりマドリード(スペイン)に在住し執筆活動を続ける。スペインに特化したサイト thespanishwhiskers.com(https://spanishwhiskers.com/?page_id=326)を主宰。 >>>>>
- ★フラメンコnews☆
まもなく開催!フラメンコ・ルネサンス21「新人公演」 (viernes, 4 de agosto 2023) 今年で第32回となる一般社団法人日本フラメンコ協会(ANIF)主催のフラメンコ・ルネサンス21「新人公演」が、まもなく開催されます。 「新人公演」は、ANIF設立当初よりフラメンコの実演者として活動することを目指す人のために、なかなか立つ機会の無い大舞台を経験してもらうことを目的として開催されてきました。すべての出演者を応援したいという主催の意向によりコンクールという形式ではなく、選考委員に選ばれた一定数の出演者に「奨励賞」が授与されます。 今年はギター部門2名、カンテ部門14名、バイレ(踊り)は群舞部門5組、ソロ部門56名の全77組が抽選等を経て出場を決め、各々が磨き抜いた技術と表現によるパフォーマンスを3日間にわたり披露します。 観覧方法は、会場観覧と配信視聴の2種類がありますので、チケットのお求めは各出演者か、または専用URLからインターネットで申込も可能です。 「フラメンコの甲子園」と語り継がれてきた夏の新人公演。この舞台に全身全霊を捧げて挑戦する出演者たちを、みんなで応援しよう! 第32回フラメンコ・ルネサンス21「新人公演」 【日程】2023年 8月11日(金祝)開場17:30/開演18:00ギター部門 カンテ部門 バイレ群舞部門 8月12日(土)開場16:00/開演16:30バイレソロ部門 8月13日(日)開場16:00/開演16:30バイレソロ部門 【会場】 東京・なかのZERO 大ホール(JR中野駅南口徒歩8分) 【チケット】 会場観覧チケット(自由席) ANIF会員4,000円/一般5,000円(各日)、座席予約券 2,000円 配信視聴チケット(収録配信)ANIF会員2,000円/一般2,500円(各日) 専用URL https://forms.gle/Z383VLF2AceMbrA57 【主催/問】一般社団法人 日本フラメンコ協会 公式LINE @flamenco_anif 電話 03-3383-0413 URL https://www.anif.jp ※出演者変更: ①B-54は常盤直生さんに変更となりました。 ②B-45川口真理子さんは欠場となりました。 >>>>>
- 新連載:恋フラ in アジア 〜第一弾 香港編~
(sábado, 29 de julio 2023) 国内47都道府県をすべて巡り、各地で着物姿でのセビジャーナスを撮影した動画「日本に恋した、フラメンコ」をYouTube上で2019年に公開したフラメンコダンサー永田健さんが、今度は日本を飛び出しアジアで撮影を展開! その撮影の様子を不定期連載でお届けします。 文/永田健 Texto por Ken Nagata 日本の名所を着物で踊る「日本に恋した、フラメンコ」を制作した永田健です。あれから3年。次はアジア版を撮りたいと思い、新しく「アジアに恋した、フラメンコ」をスタートしました。 その第一弾を、この6月に香港で撮影してきました。コンセプトは「香港の名所で、民族衣装=チャイナドレスでセビジャーナスを踊る」。 まずは街中を走る路面電車、香港トラムを貸し切って撮影。最大の心配ごとは雨でしたが、幸い晴れてくれました。しかし香港は6月ですでに猛暑なみの暑さで、朝9時の撮影開始時点ですでに湿気ムンムンです。 いざ動き出すと微妙に揺れてバランスを崩したりしますが、流れる高層ビル群を背景に撮影開始! 皆も次第に慣れてきて、暑い中何度も踊ってくれました。一回撮影しては休憩を取りながら、途中飲茶タイムも挟んで撮影を進めていきます。 11時にトラムでの撮影が終了。すでに全員汗だくでしたが、ここからフェリーに乗って海を渡り、高層ビル群が見える絶景スポット、尖沙咀(チムサーチョイ)へ。周りではヒップホップやタップダンスを踊っている人たちがいましたが、こちらも負けじと隣で撮影を進めます。 今回の撮影に協力してくれたのは、香港の教室Esencia Flamenca(Mariko Drayton主宰)。この日はクラスがあったので一旦中断して、夕方に再開しました。車で海岸沿いにある天后廟(Tin Hau Temple)へ。海の女神や長寿橋など、カラフルな像や建物が並んでいます。中心地から20分くらいですが、香港人にとって10分以上の移動は大移動のようで、参加者は少なめでしたが、素敵な場所でいろんなアングルで撮影ができました。 夕方でも全然涼しくならず、またもや汗だくに。撮影している僕も汗だくになり、エアコンで風邪を引きそうだったのでシャツを探したのですが、辺りはブランドショップしかない…。本当はなんでもよかったんだけど、5,000円のちょっとしたお買い物になってしまいました。 お金の話でいえば、今回改めて日本の物価安を実感しました。なかでも驚いたのがトラムの貸切料金で、2時間で5000香港ドル(=約9万円)。日本では47都道府県で撮影しましたが、一番高かったのがスカイツリー展望台でこちらも2時間で8万円。東京が安くなったのか、香港が高いのか?? 普通に乗車するとひとり3ドルなんですが…。 ちなみに今回の撮影費はクラウドファンディングで集めましたが、この時はちょうど募集の真っ最中でまだ30万円程度しか集まっておらず(最終的には130万円集まりました。支援してくださった皆様ありがとうございます)、香港だけでほぼ使い果たしてしまいました。とはいえ高いお金を払った甲斐あって、香港ならではのおもしろい映像が撮れました。 セビジャーナスの伴奏も、中国の琵琶(ピパ)で演奏してもらいました。日本の琵琶とは違って軽快な音を奏でます。主に伴奏に使われる日本の琵琶と違って、ピパはメロディーの演奏に多用されていたという背景があるようです。 衣装は伝統衣装=チーパオ(チャイナドレス)で踊ってもらいましたが、香港ではチーパオを着る習慣がないそうで、みんな撮影のために買い揃えてくれました。確かに、香港滞在中に一回もチャイナドレスを見ませんでした。そして撮影中は珍しいせいか、結構いろんな人に写真を撮られました。 初の海外撮影で、恋フラのコンセプトが受け入れられるか心配もありましたが、参加者も「チーパオで踊るなんて思いつきもしなかった。素晴らしいアイデア!」と喜んでくれてホッとしました。スペイン人ではなく、外国人だからこそ提案できることもあるのかもしれません。 この後、台湾、韓国、タイ、シンガポール、フィリピンなどを周り、アジア名所×フラメンコ映像を作りますが、その前に香港版の映像を編集&公開しました。 ぜひご覧ください。 「アジアに恋した、フラメンコ〜香港版」 https://youtu.be/eCQn5VmDybk 今後の活動についてはインスタグラム、永田健のSNSなどでも随時アップデートしていきます。 https://instagram.com/flamencoasia?igshid=OGQ5ZDc2ODk2ZA== 写真:川尻敏晴(今回ボランティアで来て頂きました。ありがとうございます!) 【永田健 SNSアカウント】 YouTube https://www.youtube.com/c/KenNagataFlamenco Facebook https://www.facebook.com/ken.nagata.980 (友達申請される場合はflamenco fanを見たと一言メッセージください) 【プロフィール】 永田 健(Ken Nagata) 証券会社から社費でコーネル大学MBA留学するも中退してスペインに渡る。2013年新人公演にて満票で奨励賞受賞。2019年に日本を一周して撮影した「日本に恋した、フラメンコ」をYouTube公開。マールボロ公式サイト映像出演中。 >>>>>