(domingo, 17 de noviembre 2024)
2024年4月21日(日)~5月3日(金祝)
Show レストランGARLOCHÍ(東京・新宿)
写真/近藤佳奈
Fotos por Kana Kondo
文/金子功子
Texto por Noriko Kaneko
今年のGWのガルロチ・フラメンコ公演は、「グラナダの至宝」と称され日本でも高い人気を誇る踊り手、ラ・モネタを中心としたグループが登場した。共演には端正なスタイルと味のある踊りが魅力のアベル・アラーナ、カンテはガルロチ2度目の出演となるファン・デ・ラ・マリアと円熟味のある歌声のメルセデス・コルテス、ギターにはモネタが絶対的な信頼を置くミゲル・イグレシアスと、熟練の技と個性豊かな芸術性で定評のあるアルティスタが揃った。
今回鑑賞したのは公演3日目、内容はBプログラムだ。
1曲目はモネタのグラナイーナ。優美な青のバタ・デ・コーラで、美しいメロディーと一体となる踊り。ミゲルのギターが甘美で切ない音色を奏でる。胸に迫るようなファンの歌声が涙を誘い、始まりから珠玉の一曲を魅せてくれた。
メルセデスのカンテソロはアバンドラオ。ハスキーボイスでありながら澄んだ歌声が心地よい。伴奏のギターもキレ良く力強い演奏で、しっかりと歌を支える。
タラントを踊るアベルは、立ち姿が美しく身のこなしにグラシア(気品)が漂う。足技ではまるでリズムのマジシャンのように、緩急を自在に操るテクニックで観客を魅了した。
1部の最後はブレリアで締め、赤いドレスで踊るモネタの野性的な魅力が印象的だった。
第2部はアベルのソレア・ポル・ブレリアから。二人のカンテを楽しむように踊り会場を盛り上げる。観客をわくわくさせるようなリズム遊びと、次々に繰り出されるパソの嵐から目が離せない。
モネタはシギリージャを披露。眼光鋭く、指先まで力強さがみなぎり、その本能のままの踊りに圧倒される。足音が奏でる音色からは心の痛みが伝わってくるかのよう。その手に腕に肩に背中に、モネタの心が宿っていた。
ラストは全員によるアレグリアス。生き生きと喜びに満ちた雰囲気の中、リラックスして遊ぶように踊り、観客も大いに楽しんだ。
開幕序盤から素晴らしいステージを魅せてくれたモネタだったが、この日の公演が終了した後に体調不良を訴え、救急病院で受診したところ腎盂腎炎の症状がみられ安静が必要とされ、それ以降の出演は残念ながら叶わなくなってしまった。しかし他の4人のメンバーが、力を合わせてアイデアと趣向を凝らし、連日違うプログラムを用意。歌やリズム、踊りでその日しか観られない素晴らしい演目で観客を楽しませたという。
座長不在という難局に向き合いながら、より一層フラメンコの魅力が強く感じられるような舞台を届けてくれた今回のメンバーは、まさに一流のアルティスタであった。
[出演]
バイレ(踊り) ラ・モネタ/アベル・アラーナ
カンテ(歌) メルセデス・コルテス/ファン・デ・ラ・マリア
ギター ミゲル・イグレシアス
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