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マヌエル・リニャン来日公演 en GARLOCHÍ

“Recital de Baile”

 

(domingo, 8 de diciembre 2024)

 

2024年12月3(火)~12日(木)

ShowレストランGARLOCHÍ(東京・新宿)

 

写真/渡辺格

Fotos por Itaru Watanave

文/金子功子

Texto por Noriko Kaneko


A_2412_garlochi_manuellinan_©渡辺格

 スペインの代表的なフェスティバルや海外公演でも自身の劇場作品が高い注目を集めるフラメンコ舞踊手、マヌエル・リニャンがついにガルロチに登場。10日間にわたるタブラオ公演を行う。


 大ホールなどでの劇場公演が多い彼だが、今回は自身初となるタブラオでのバイレソロ公演。

 会場は日本のフラメンコ界で活躍する多くのアーティストや業界関係者で埋め尽くされ、その注目度の高さが伺えた。


 ミュージシャンたちが舞台に上がる時からもう、観客の盛大な拍手で迎えられた。

 オープニングはカンテソロのブレリア。音の粒がきらめく軽快なギターと共に、沸き立つようなハレオとパルマで幕を開ける。ファン・デ・ラ・マリアは張りのある艶やかな歌声を聴かせ、今回が初来日となるホセ・マヌエル・フェルナンデスは自然で野生的な太い歌声を響かせる。3人が生み出す熱いグルーヴのうねりが会場を盛り上げ、観客の気持ちを高揚させていく。


 リニャンの最初のソロはタラント。体にフィットした真紅のパンツスタイルが、ダンサーとして磨き上げられた身体美を際立たせる。始まりから一気に駆け上がるように内面のエネルギーをトップギアまで持っていく。力強くキレが冴える踊りにはしなやかさもあり、回転も鮮やか。そして随所に闘牛士としてのフォルムが表れる。実はリニャンは、子供の頃より闘牛士だった父から跡を継ぐことを期待され、闘牛士としての素養を身に付けてきたのだという。そのため雄々しく踊る姿はとても洗練されていてかっこよく、それが彼ならではのオリジナリティとも言えるだろう。

 そしてタンゴはリニャンの真骨頂。 足音とギターの掛け合いも遊び心があり、カンテも楽しそうに絡んでくる。4人でノリ良く音楽をつむぐ濃密な時間だ。


 ソレアでは、漆黒の上下の衣装をまとい、背中に深い悲しみを湛えて登場。狙った一瞬に全てを賭けるような気迫に、息を呑む。足技では絶対的なコンパス感で変幻自在のパソを次々に繰り出し、まさに異次元レベル。


 フランシスコ・ヴィヌエサのギターソロは、郷愁を誘うようなメロディーのタランタ。美しく豊かな中低音の響きに包まれる、至福のひと時だ。


 ラストは待望の、バタ&マントンでのアレグリアス。白のバタデコーラと水色のマントンを巧みにさばき、生き生きと自由に踊る姿は喜びに溢れていた。シレンシオの舞いは芸術品のような美しさで、マントンを身体の一部のように思いのままに翻す技術も圧巻。それはまさに自由の翼だ。


 終演後は大きな拍手とハレオとともに、スタンディングオベーションの嵐となった。期待以上の素晴らしい舞台に、誰もが感動し歓喜していた。

 メンバー全員が全身全霊を懸けて魅せてくれるそのパフォーマンスは、観る者に大きな感動を与えるだろう。この機会を、ぜひ見逃さないでほしい。

B_2412_garlochi_manuellinan_©渡辺格

【出演】

Baile(踊り)

 Manuel Liñán

Cante(歌)

 Juan de la Maria

 Jose Manuel Fernández

Guitarra(ギター)

 Francisco Vinuesa


【タブラオフラメンコGARLOCHÍ 公式サイト】


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