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《フラメンコ魂》教室群舞の一曲入魂

プリメラ フラメンコ フェスティバル 2024【1日目】


(lunes, 30 de septiembre 2024)

 

2024年7月12日(金)

こくみん共済coopホール/スペース・ゼロ(東京・新宿)


写真/川島浩之

Fotos por Hiroyuki Kawashima

文/金子功子

Texto por Noriko Kaneko

 

 

 フラメンコの踊りの魅力と言えば、ソロによる優れた技術と表現豊かな舞踊はもちろんだが、複数の人数による迫力や巧みに練り上げられたフォーメーションで踊る群舞もまた、ソロとは違う味わいが楽しめる、欠かせない魅力のひとつだろう。


 今年のプリメラ フラメンコフェスティバルの1日目は、教室の先生と生徒による8組の群舞が出演した。

 「群舞」と一言で言っても、人数の多い少ないもあるし、曲種が違えば音楽の特徴も違う。音楽的にも視覚的にも様々なバリエーションがあるから、そこに各先生の好みやアイデアが表れていて楽しい。


 トップバッターは篠崎麻由美さんの教室。衣装はそれぞれ自由で、ピンクや赤を取り入れながら明るく可愛い印象でまとめられる。先生は白系の衣装で少し大人っぽい雰囲気。ブレリア・デ・カイから始まり、にこやかに元気いっぱいなアレグリアスを披露。フォーメーションも横一列や縦一列など広いステージを活かしてのびのび踊った。

240712プリメラ教室群舞_1篠崎麻由美

 次は神奈川のYUKIフラメンコスタジオのグアヒーラ。全体を赤、白、ピンクのストロベリーカラーでコーディネート。椅子を3つ使ってフォーメーションに活かし、女性らしい魅力が味わえる群舞を魅せた。アバニコを隣のメンバーに順々に手渡したり、3人のアバニコで一つのモチーフを作ったりといったアイデアも、群舞ならでは。

240712プリメラ教室群舞_2YUKIフラメンコスタジオ

 3番目は篠田三枝さんの教室で、大群舞のガロティン。生徒たちはベージュのコルドベス帽に、衣装は黒と赤の花柄でオトナ可愛い印象。 先生は全身赤でまとめた鮮やかなスタイル。先生のソロと生徒の群舞という、コラボとしての構成がしっかり組み立てられていた。最後は先生と同じような衣装を着た可愛い少女が登場、会場が大いに盛り上がった。

240712プリメラ教室群舞_3篠田三枝

 前半のトリは北原志穂さんの教室のアレグリアス。白のドレスに白のマントンで揃え、統一感のある美しさを演出。フォーメーションの変化も整っていて、優美でしっとりとした群舞を披露した。

240712プリメラ教室群舞_4北原志穂

 休憩を挟んでの後半は宮本亜都子さんの教室からスタート。サックスのイントロから始まるドラマティックな前奏。落ち着いたトーンの色違いの衣装で、ひとりひとりの存在感がしっかりと感じられるようなオーソドックスなスタイルのカーニャを魅せた。

240712プリメラ教室群舞_5宮本亜都子

 屋良有子さんの教室は、幻想的なシーンから始まるティエント。 先生の際立つソロ舞踊に対し、群舞の一体感が良いコントラストを表現。踊りの随所にベルの音色を生かすなど、音楽の作り込みにもこだわりがたっぷりと感じられた。

240712プリメラ教室群舞_6屋良有子

 えんどうえこさんの教室は、今回の主催プリメラギター社のチコさんこと吉田正俊社長へ捧げる感謝のハレオから始まった。ギターの小林亮さんが作曲した「Amanecer」というアレグリアスの曲に大人数でのパルマとハレオを合わせ、足技の場面ではバストンの音も取り入れ、最後は横一列に並び圧巻のハレオで舞台を締めた。

240712プリメラ教室群舞_7えんどうえこ

 

 そして大トリを務めたのは石井智子さんの教室。 カラコレスの陽気でテンポの良い前奏から始まり、色とりどりの水玉模様のバタ・デ・コーラとアバニコ、マントンやパリージョも生かして、鮮やかで華やかな群舞を楽しませてくれた。

240712プリメラ教室群舞_8石井智子

 先生たちのアイデアが詰まった作品が揃い、それぞれの教室の個性や雰囲気が楽しめた今回の群舞公演。素敵な衣装を着て、教室の仲間たちや先生と一緒に一つの作品に取り組む姿に「私もフラメンコ踊ってみたい!」と思ってもらえたら、それが何よりのうれしいエールになるだろう。


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