(lunes, 11 de noviembre 2024)
文/エンリケ坂井
Texto por Enrique Sakai
Joaquín el de la Paulaのソレアー④
アルカラーのソレアーを代表するホアキン・エル・デ・ラ・パウラ(1875~1933)のスタイル④を取り上げます。
実を言えば、この④をホアキンのスタイルとする人もいればアントニオ・マイレーナの創作だという人もいて意見は分かれているのですが、一応ホアキンのスタイルという事にしておきましょう。
マイレーナはホアキンやアルカラーのヒターノ達との交流からアルカラーのスタイルを知り尽くした人であり多くの録音を残しているのですが、このスタイルもいくつかの歌詞で歌っています。
という事で例に取り上げるのは、もちろんアントニオ・マイレーナです。
(Letra)
Yo te tengo〈compará〉
con la que está en el Castillo
del Águila de Alcalá.
(訳)
お前をアルカラー城の
アギラの聖母様と
比べてみた。
◎compará ⇒ comparada(比べられた)
◎águilaは鳥の鷲(ワシ)。アルカラーはCerro del Águila(アギラの丘)にあり、ここの城にアギラの聖母が祀られている。
8音節から成る3行詩。このスタイルがマイレーナ作だと言われる理由は、ホアキンのファミリーの歌い手達(マノリートやタレーガ)の録音に残されていない事、そしてマイレーナがこの地味なスタイルを4種類もの歌詞で歌い録音した事がひとつ。
しかもマイレーナはこの歌をアルカラーのソレアーと題して録音しているので何らかの関係があるのでしょうが、いろいろな推理ができそうです。
そしてよく聴いてみると、この歌はセルネータのあるスタイルによく似ており、恐らくはその影響を受けています。
このようにスタイルの見極めはなかなか難しいのですが、ひとつ言える事はひとつのスタイルが何の影響も受けずにある日突然全く新しいものが生まれるという事はあり得ず、すべての歌はそれまでの長い歴史の積み重ねの中で大なり小なり影響を受けつつ生まれてきたという事なのです。
【筆者プロフィール】
エンリケ坂井(ギタリスト/カンタオール)
1948年生まれ。1972年スペインに渡り多くの著名カンタオールと共演。帰国後カンテとパルマの会を主宰。チョコラーテらを招聘。著書『フラメンコを歌おう!』、CD『フラメンコの深い炎』、『グラン・クロニカ・デル・カンテ』vol.1~35(以下続刊)。
※CD『グラン・クロニカ・デル・カンテ』シリーズを購入ご希望の場合は、アクースティカ(https://acustica-shop.jp/)へお問い合わせください。(編集部)
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