(miércoles, 17 de enero 2024)
スペイン在住30年以上、多数の一流フラメンコ・アーティストらとも親交のあるフラメンコ・ジャーナリスト志風恭子が、歌・踊り・ギターそれぞれの代表的アーティストらのプロフィールをピックアップ。過去の取材で撮影した写真や、チェックしておきたい動画などもご紹介します。
文/志風恭子
Texto por Kyoko Shikaze
(写真)2007 Málaga en Flamenco
“Carmen Linares”
Carmen Pacheco Rodríguez
Linares, Jaén, 25-2-1951
カルメン・リナーレス
本名カルメン・パチェーコ・ロドリゲス
1951年2月25日ハエン県リナーレス生
オフィシャルウエブ https://carmenlinares.es
現代フラメンコを代表するカンタオーラ(女性フラメンコ歌手)。芸名の由来であるハエン県リナーレスで生まれたが、17歳からマドリード在住。舞踊伴唱などを経て1971年初録音。1996年にリリースしたアルバム『カンタオーラ』では先輩カンタオーラたちのレパートリーを様々なギタリストの伴奏で見事に歌いこなし、高い評価を得た。このアルバムは今も後輩たちのお手本となる。2001年スペイン文化省のプレミオ・ナショナル・デ・ムシカ(音楽賞)、2022年にはアストゥリアス皇太女賞を受賞するなど、フラメンコ界を代表して内外で高く評価されている。ファリャ『恋は魔術師』や演劇、他ジャンルのミュージシャンとの共演なども多い。
2019 Archidona 息子のギタリスト、エドゥアルド(右)と
【動画】
1995年、カナルスールの番組『カビラシオネス』でのシギリージャ
(写真)1992 Plaza de Toros de Sevilla, Bienal
“Manuela Carrasco”
Manuela Carrasco Salazar
Sevilla, 12-8-1954
マヌエラ・カラスコ
本名マヌエラ・カラスコ・サラサール
1954年8月12日セビージャ生まれ
圧倒的なオーラを放ち、ディオサ、女神とも称される舞踊家。10歳でマラガ県のタブラオでデビュー。その後セビージャやマドリードのタブラオで活躍。1974年コルドバのコンクールで優勝。この頃から名声は広まり、アンダルシアのフラメンコ祭に数多く出演するようになる。カルロス・サウラ監督『セビジャーナス』『フラメンコ』にも出演。またチョコラーテらのゲストや若手男性ダンサーとの作品も発表。夫でギタリストのホアキン・アマドール(1952―2023)との間に二人の娘があり、姉サマラは歌い手、妹マヌエラは踊り手。2007年スペイン文化省のプレミオ・ナショナル・デ・ダンサ(舞踊賞)受賞。
(写真)2012年7月 Vela de Triana, ホアキン・アマドール(右)と
【動画】
マヌエラといえば、のソレア。1990年、カナルスールのフラメンコ番組のための録画。夫ホアキン・アマドールのギター、エンリケ・エストレメーニョの歌。ボボーテとエレクトリコのパルマ。みんな若い。
(写真)Agosto 2007 Málaga en Flamenco
“Tomatito”
José Fernández Torres
Almería, 20-8-1958
トマティート
本名ホセ・フェルナンデス・トーレス
1958年8月20日アルメリア生まれ
祖父、叔父もギタリスト。小さいトマトという意味の芸名トマティートはギタリストの祖父の芸名エル・トマテから。叔父もギタリストのニーニョ・ミゲル。十代でマラガのタブラオで演奏している時に知り合った不世出の歌い手カマロン・デ・ラ・イスラの伴奏を務めるようになり、以後、1992年にカマロンが亡くなるまで共演を続ける。93年以降はソロ演奏が中心となるが、録音ではドゥケンデやパンセキートらのアルバムで伴奏もしている。またジャズピアニスト、ミシェル・カミロやオーケストラとの共演など意欲的な活躍を続けている。息子ホセ・デル・トマテも新進ギタリスト。
【動画】
1991年ブレリアを歌うカマロンの伴奏で。
2016年グラナダ国際音楽舞踊祭での演奏。曲はミシェル・カミロが映画『あなたに逢いたくて』のために作曲した『トゥー・マッチ』
【筆者プロフィール】
志風恭子(Kyoko Shikaze)/1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。
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