ARTE Y SOLERA 特別公演
(sábado, 9 de noviembre 2024)
2024年6月15日(土)
ところざわサクラタウン ジャパンパビリオン HALL A
写真/川島浩之
Fotos por Hiroyuki Kawashima
文/金子功子
Texto por Noriko Kaneko
フラメンコ舞踊家、鍵田真由美と佐藤浩希の両氏が率いるフラメンコ舞踊団「ARTE Y SOLERA(アルテイソレラ)」による特別公演『Golpe2024』が上演された。2020年と2021年に上演して以来3年振り、3回目の開催となるこの公演。特別出演として踊り・芝居・歌とマルチに活躍するアーティストの今井翼を迎えるということでも大きな注目を集めた。
オープニングは、鍵田を中心とする和装でのシギリージャの群舞。活気あふれる一体感で舞台を盛り上げる。続く工藤のソロでは、浅野の日本語の歌をしなやかに美しく舞う。また、あまりライブで上演されることのないという「ロシオ巡礼」の曲をフラメンコ・アレンジで披露。三人三様の音色豊かな女声カンテを、鍵田が優雅に踊る姿が愛らしい。
そして、今井のソロによるファルーカ。丁寧で力強い踊りには成熟した貫禄が感じら、回転のキレの良さはさすが長年のステージで培った賜物だろう。曲の後半では工藤とパレハでタンゴを披露し、ソロとは違う魅力を楽しませてくれた。
今回の公演はフラメンコにあまり馴染みのない観客が多かったようで、MCでは佐藤がハレオや手拍子のやり方を観客に楽しくレクチャーする場面も。すると、佐藤のソロのアレグリアスのときに、足技の場面で客席から自然発生的に手拍子やハレオが沸き起こった。これには佐藤も満面の笑顔になり、踊りを途中で止めて(通常の舞台では滅多にない)、その嬉しさと感動を正直に表した。
舞踊団と縁の深いピアノ&ボーカルの中島は、自身の作曲による「久遠の花」を新バージョンで披露。 透き通るような悲しげな歌を女性群舞で表現。
今井と男性舞踊手ら4人による群舞から始まるカーニャは、鍵田のソロのシーンやマントンを使った女性群舞による場面なども交え、様々な舞踊シーンが楽しめる見応えのある作品となった。
浅野の三味線ソロから始まる佐藤のシギリージャ。軽快でありながら高い熱量が感じられる速弾きは、まさに超絶技巧の域だ。その熱い演奏に髪を振り乱して踊る姿は、文字通り渾身の舞踊であった。
舞踊団としてこれまで培ってきた技術と表現力、そこに日本のエンターテイメント界で活躍するスター性を持つ今井が加わったことで、舞台全体がショーとしてより華やかで彩り豊かな作品に仕上がっていた今回の公演。この舞台をきっかけに、まだ知られていないフラメンコの魅力を多くの人に知ってもらえたなら何よりだ。
[出演]
鍵田真由美、佐藤浩希
東陽子、工藤朋子、中里眞央、矢野吉峰、三四郎
関祐三子、柴崎沙里、小西みと、辻めぐみ、辻陽満里、山﨑嬉星、小野寺麻佑
中島千絵(ピアノ/ボーカル)
斎藤誠(フラメンコギター)
白澤美佳(バイオリン)
浅野祥(津軽三味線)
[特別出演]
今井 翼
[主催]
【埼玉公演】KADOKAWA
【石川公演】北國新聞
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