(miércoles, 20 de marzo 2024)
スペイン在住30年以上、多数の一流フラメンコ・アーティストらとも親交のあるフラメンコ・ジャーナリスト志風恭子が、歌・踊り・ギターそれぞれの代表的アーティストらのプロフィールをピックアップ。過去の取材で撮影した写真や、チェックしておきたい動画などもご紹介します。
文/志風恭子
Texto por Kyoko Shikaze
Alonso Núñez, Núñez “Rancapino”
Chiclana de la Frontera, Cádiz, 1945,
ランカピーノ
本名アロンソ・ヌニェス・ヌニェス
1945年カディス県チクラナ・デ・ラ・フロンテーラ
祖母は歌い手ラ・オビスパ、兄オリージョ・デル・プエルト、息と歌い手のファミリーに育ち、子供の頃から歌い、アウレリオ・セジェスやマノロ・カラコールの薫陶を受け、マドリードのタブラオなどで活躍。77年コルドバのコンクール、マラゲーニャ部門優勝。81年初来日。古き良きカディスのカンテの味わいを伝える貴重な存在。息子ランカピーノ・チーコも歌い手。
【動画】
カナルスールのフラメンコ番組で歌ったマラゲーニャ・デ・メジーソ。伴奏はモライート。
Victor Monge Fernández “Serranito”
Madrid, 16-7-1942
セラニート
本名ビクトル・ルイス・モンヘ・フェルナンデス
1942年7月16日マドリード生まれ
ギターは独学。12歳ですでにプロとして活躍。グループ、ロス・セラーノスと演奏し、芸名はここからきている。13歳でタブラオの前身で歌伴奏をし、劇場の専属などを経て、後、タブラオ、コラル・デ・ラ・モレリア等で演奏。1962年歌伴奏で、翌年にはソロでレコード録音。69年以降は超絶技巧のソリストとして世界を舞台に公演。パコ・デ・ルシア、マノロ・サンルーカルと三羽烏とも呼ばれた。1973年初来日、以後計5回来日している。
1989年ロシオ巡礼にてディエゴ・カラスコと ©︎ Kyoko Shikaze
【動画】
カナルスール、アンダルシアの日のガラでのブレリアの演奏。超絶テク健在。踊りはホアキン・ルイス。第2ギターにミゲル・リベラ、ホセ・カルロス・ゴメスらが参加している。
Eduardo Serrano Iglesias “El Güito”
Madrid, 5-7-1942
エル・グイト
本名エドゥアルド・セラーノ・イグレシアス
1942年7月5日マドリード生まれ
Sevilla. 2015 Septiembre es flamenco©︎Antonio Acedo Bienal
芸名は彼が赤ん坊の時、姉がネグリト(色黒の子)と言えずグイトとなまったことから。子供の時から踊り多くの映画に出演。アントニオ・マリンに師事し12歳で代教。15歳頃からピラール・ロペス舞踊団でアントニオ・ガデスやマリオ・マジャらと踊る。退団後は自身のグループや、マリオとその妻カルメン・モーラとのトリオ・マドリードで、タブラオや各地のフェスティバル、劇場公演に出演。またスタジオ、アモール・デ・ディオスで長年後進の指導にもあたった。正確無比で美しい姿勢、特にその頭の位置は今も語り草。1987年小松原庸子の招きで初来日した。その絶品ソレアを見ずしてフラメンコ舞踊は語れない。
【動画】
カナルスールのフラメンコ番組でのファルーカ。
極めつきソレア。
【筆者プロフィール】
志風恭子(Kyoko Shikaze)/1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。
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