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アーティスト名鑑vol.6

(miércoles, 20 de diciembre 2023)

 

スペイン在住30年以上、多数の一流フラメンコ・アーティストらとも親交のあるフラメンコ・ジャーナリスト志風恭子が、歌・踊り・ギターそれぞれの代表的アーティストらのプロフィールをピックアップ。過去の取材で撮影した写真や、チェックしておきたい動画などもご紹介します。

 

文/志風恭子

Texto por Kyoko Shikaze

マノロ・カラコール1

Manolo Caracol

Manuel Ortega Juárez

Sevilla, 7-7-1909 – Madrid 24-2- 1973

 

マノロ・カラコール

本名マヌエル・オルテガ・フアレス

1909年7月7日セビージャ生、1973年2月24日マドリード没


フラメンコ・アーティストや闘牛士を多く輩出するファミリーに生まれ、1922年にグラナダで行われたカンテ・ホンド・コンクールでエル・テナサスと同時優勝。1935年マドリードに移る。ローラ・フローレスとのコンビで映画『エンブルホ』(1947年)、ラ・ニーニャ・デ・ラ・ベンタ』(1951年)が大ヒットし、そこで歌ったスペイン歌謡色の強いフラメンコ、サンブラやファンダンゴで一世を風靡した。オーケストラやピアノ伴奏でのフラメンコなどの先駆者といえよう。一方で58年にはアンソロジー『ウナ・イストリア・デ・カンテ』を発表。63年にはマドリードにタブラオを開店。73年交通事故で逝去。

 

【ビデオ】

歴史に残るフラメンコ番組『カンテの祭儀と地理』のマノロ・カラコール特集。

*スペイン国営放送のページ。


カナルスールのマノロ・カラコールについての番組。

娘や孫などファミリーの他、ファルキートやレアル・マドリードの選手のコメントなども収録している。




マノロ・カラコール2


 
ニーニョ・リカルド1

Niño Ricardo

Manuel Serrapi Sánchez

Sevilla, 11-7-1904 – 14-4-1972


ニーニョ・リカルド

本名マヌエル・セラピ・サンチェス

1904年7月11日セビージャ生、1972年4月14日セビージャ没

 

ラモン・モントージャ、サビーカスと共に、今のフラメンコギターの礎とでもいうべき存在で、パコ・デ・ルシアをはじめとする多くの後進たちに影響を与えた。ニーニャ・デ・ロス・ペイネスやフアニート・バルデラマ、チョコラーテら名だたる歌い手たちの伴奏を数多く手がけただけでなく、ソロ演奏も録音し、また多くのヒット曲の作曲家でもある。なお、セビージャにあるその旧居は現在、ホテルla casa del maestroとなっている。芸名は父の名リカルドからで、リカルドの息子、niño de ricardoが短くなったものとされる。

 

【ビデオ】

ソロ演奏。



ニーニョ・リカルド2

 
グラン・アントニオ1

写真 1971年日本公演プログラムより

 

Antonio el Bailarín

Antonio Ruiz Soler

Sevilla 4-11-1921 - Madrid 5-2-1996


グラン・アントニオ

本名アントニオ・ルイス・ソレール

1921年11月4日セビージャ生、1996年2月5日マドリード没


不世出のスペイン舞踊家。幼い頃から踊り手として活躍。1937年スペイン内戦時に南米へわたり、後、ハリウッド映画に出演するなどアメリカでも活躍。1949年スペイン帰国後も自らの舞踊団を率い世界中で公演。1952年には映画『フラメンコの魔性と神秘』で史上初めてマルティネーテを踊り、また振付家としても多くの名作を世に残し、1978年10月札幌公演を最後に引退。翌年から83年までスペイン国立バレエ監督を務め、『三角帽子』『ファンタシア・ガライカ』などその振付作品にはバレエ団のレパートリーとして上演されているものも多い。日本では「偉大な」という意味のグラン・アントニオとして知られるが、スペインではアントニオ・エル・バイラリン、ザ・ダンサーアントニオ」と呼ばれることが多い。

グラン・アントニオ2

写真 1971年日本公演プログラムより

 

【動画】

ビデオアンダルシアのテレビ局によるアントニオのバイオグラフィまとめ.

歴史に残るマルティネーテをはじめ多くのパフォーマンスを見ることができます。



【筆者プロフィール】

志風恭子(Kyoko Shikaze)/1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。

 

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