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アーティスト名鑑vol.15

(miércoles, 18 de septiembre 2024)

 

スペイン在住30年以上、多数の一流フラメンコ・アーティストらとも親交のあるフラメンコ・ジャーナリスト志風恭子が、歌・踊り・ギターそれぞれの代表的アーティストらのプロフィールをピックアップ。過去の取材で撮影した写真や、チェックしておきたい動画などもご紹介します。

 

文/志風恭子

Texto por Kyoko Shikaze


*名鑑登場アーティスト一覧はこちらから

 


 José Cortés Jiménez

“Pansequito”

La Linea de la Concepción, Cádiz 8-1-1945 – Bormujos, Sevilla 17-2-2023

 

パンセキート

本名ホセ・コルテス・ヒメネス

1945年1月8日カディス県 ラ・リネア・デ・ラ・コンセプシオン生、2023年2月17日セビージャ県ボルムホス没

 

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1992年セビージャにて ©︎ Kyoko Shikaze


70年代、スペインのヒットチャートに躍り出たフラメンコ歌手はカマロンではなく、彼、パンセキート。幼くしてセビージャを経てカディス県プエルト・デ・サンタ・マリアに移りそこで育ったため、当初はパンセキート・デル・プエルトと呼ばれ、その地の名誉市民ともなった。マドリードのタブラオやガデス舞踊団などでの活躍を経て1971年、エンリケ・モレンテがプロデュースしたデビューアルバムでもその名が記載されている。1974年、ブレリア『タパメ』がヒット。これはフアン・アビチュエラ、ぺぺ・アビチュエラの伴奏だった。その後は各地のフェスティバルなどを中心に活躍し、2010年にはコンパス・デル・カンテ賞を受賞している。響きがよく、ふくみのある声、伝統を現代に息づかせる独特の歌い回し。歌い手のアウロラ・バルガスは公私とものパートナーだった。

 

【動画】

2000年ソレア。熱唱。絶品。

 

1995年カナルスールの番組でブレリアを歌う。伴奏はニーニョ・デ・プーラ

 

1973年スペイン国営放送『カンテの祭儀と地理』。アレグリアスやタンゴ、ソレア、ブレリアなど、フアン・モラオ(マヌエル・モラオの弟、モライート・チーコの父)伴奏で。


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2006年4月セビージャにて ©︎ Kyoko Shikaze


 

Mercedes Rodríguez Gamero

“Merche Esmeralda”

1947 Sevilla

 

メルチェ・エスメラルダ

本名メルセデス・ロドリゲス・ガメロ

1947年セビージャ生


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優雅、華麗、高い品格というだけでなく、セビージャらしい華やかな明るさといたずらっけのある愛嬌、人懐っこさも兼ね備えた踊り手。12歳で初舞台、16歳でプロに。マドリードやセビージャのタブラオで踊り、またマドリードの舞踊学院に学ぶ。21歳でコルドバのコンクールで優勝。1980年、グラン・アントニオの招きでスペイン国立バレエ団に。一時退団したものの、86年にゲストアーティストとして復帰、『メデア』などを踊り、1989年スペイン国立バレエ団初の日本公演にも参加している。後、ムルシア舞踊団、サラ・バラス、エバ・ジェルバブエナとの作品『ムヘーレス』、また自らの作品などで活躍した。カルロス・サウラ監督の映画『セビジャーナス』『フラメンコ』にも出演している。現在は表舞台からは引退している。


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2014ビエナルでの作品『ウルティマ・パラーダ』。美しい手の形、首の位置。表情。完璧、Archivo Fotográfico de La Bienal de Flamenco / ©Antonio Acedo


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2018年マドリードにて©︎ Kyoko Shikaze

 

【ビデオ】

国立バレエ団時代のソレア。1986年


カナルスールのフラメンコ番組でのシギリージャ。2000年。


 

José Antonio Carmona Carmona

"Pepe Habichuela"

Granada, 23 de octubre 1944

 

ぺぺ・アビチュエラ

本名ホセ・アントニオ・カルモナ・カルモナ

1944年10月23日グラナダ生

 

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2016年 Espacio Santa Clara ©︎Oscar Romero La Bienal

 

父、兄、弟、息子、甥もギタリスト、妻は踊り手…というフラメンコ一家の重鎮。今年、2024年で80歳。現在、引退公演ツアー中のペペはグラナダ、サクロモンテの洞窟でキャリアをスタート。後、マドリードに移り、タブラオやフェスティバル、録音にと活躍。特にエンリケ・モレンテの伴奏で『オメナヘ・ア・ドン・アントニオ・チャコン』(1976年)や『デスペガンド』(1977年)などのアルバム多くの名伴奏を残している。1983年ソロアルバムを発表。歌伴奏だけでなく、ソリストとしてまた、デイブ・ホランドらジャズミュージシャンとの共演など、自由な精神と強いフラメンコ性が特徴。


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【ビデオ】

2018年ヘレスのフェスティバルでのコンサート。

  

スペイン国営放送で放映された2017年のペペへのオマージュ公演の模様。息子ホセミ・カルモナをはじめ、トマティートやホセ・メルセ、アントニオ・カナーレス、ミゲル・ポベーダらも出演。

 

カナルスールでの演奏。グラナイーナ


1989年カナルスールでのタンゴ。第2ギターで息子ホセミ、甥フアン、カホンでアントニオ、ベースにライムンドというケタマ/パタ・ネグラがサポート。

 

おそらく同じ時のソレア。

 

【筆者プロフィール】

志風恭子(Kyoko Shikaze)/1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。

 

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