(miércoles, 17 de abril 2024)
スペイン在住30年以上、多数の一流フラメンコ・アーティストらとも親交のあるフラメンコ・ジャーナリスト志風恭子が、歌・踊り・ギターそれぞれの代表的アーティストらのプロフィールをピックアップ。過去の取材で撮影した写真や、チェックしておきたい動画などもご紹介します。
文/志風恭子
Texto por Kyoko Shikaze
María Teresa Martín Cadierno
“Mayte Martín”
Barcelona, 19-4-1965
マイテ・マルティン
本名 マリア・テレサ・マルティン・カディエルノ
1965年4月19日バルセロナ生まれ
アンダルシア出身の両親のもとフラメンコのレコードを聴いて育ち、10歳でカンテコンクールに出場。1983年からプロとしてペーニャやタブラオに出演。1987年ラ・ウニオンのコンクール。89年にはコルドバのコンクールのマラゲーニャス部門で優勝。1994年初CD『ムイ・フラヒル』を発表。以後、これまでに9枚のアルバムをリリース。ジャズ・ピアニストとの共演でラテンバラードを歌ったり、やピアノ・デュオと共演したり、マラガの詩人の詩を歌ったり、フラメンコだけに止まらない多彩な活躍で知られる。
【動画】
彼女のヒット曲 S.O.S。1994年のデビューアルバムで唯一フラメンコ曲じゃなかったものだが今に至るまで彼女のリサイタルのアンコール定番。
アレハンドロ・ウルタド伴奏でのグアヒーラ。2020年フランス、ニームのフェスティバルで。中南米起源の曲も得意とするところ。
Antonio Gómez de los Reyes
Sevilla 3-12-1961
アントニオ・カナーレス
本名アントニオ・ゴメス・デ・ロス・レジェス
1961年12月3日セビージャ生まれ
82年から85年までスペイン国立バレエ団在籍。退団後はパリの現代舞踊家マギー・マランとの共演を経て、クンブレ・フラメンカ、ラファエル・アギラール、ルイシージョ、マヌエラ・バルガスなどのカンパニーやタブラオで活躍。92年自らの舞踊団を結成。翌年発表した『トレロ』は100回以上公演を重ねるヒット作となった。95年スペイン文化省の舞踊プレミオ・ナショナル受賞。97年の『ベルナルダ』ではアントニオがベルナルダを踊るなど、女性役を男性舞踊手が演じ話題を呼んだ。テレビ出演などで一般にも広く知られる存在。
【動画】
1996年スペインのアカデミー賞であるゴヤ賞授賞式でソレア・ポル・ブレリアを踊る。歌にモンセ・コルテス他。
Rafael Riqueni del Canto
Sevilla, 16-8-1962
ラファエル・リケーニ
本名ラファエル・リケーニ・デル・カント
1962年8月16日セビージャ生まれ
わずか14歳でコルドバのコンクールのギターソロ部門、ヘレスのギターコンクールで優勝。セビージャのタブラオ、ロス・ガジョスや各地のフェスティバルで研鑽を積み、1986年アルバム『フエゴ・デ・ニーニョス』を発表。以後、『ミ・ティエンポ』『セビージャ組曲』などをリリース。その繊細で優しく、美しい曲、そして演奏はスペイン国民楽派にも例えられる。病気のため一時、表舞台から遠ざかっていたこともあったが、2022年にはビエナルでヒラルディージョ賞を受賞するなど活躍、再評価されている。
【動画】
2023年ニューヨーク公演での演奏。曲は『コヒエンド・ロサス(バラを摘んで)』
【筆者プロフィール】
志風恭子(Kyoko Shikaze)/1987年よりスペイン在住。セビージャ大学フラメンコ学博士課程前期修了。パセオ通信員、通訳コーディネーターとして活躍。パコ・デ・ルシアをはじめ、多くのフラメンコ公演に携わる。
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